2016年3月24日木曜日

【DAVE'S WORLD PODCAST】メタルレジスタンスレビュー


ロックフォトグラファーでありライターでもあるDave Mussonによる「DAVE’S WORLD PODCASTからメタルレジスタンスのレビュー箇所の翻訳です。
彼の撮影した写真の数々は「DAVE MUSSON PHOTOGRAPHYで見る事ができます。
Download FestivalでのBABYMETALとDragon Forceのコラボレーションの写真も掲載されています。

以下、レビュー訳です。

次にレビューするのは近日発売になるBABYMETALのセカンドアルバムだ。
メタルレジスタンスというアルバムで4月1日に発売になる。このPodcastリスナーの大半はBABYMETALについて知ってると思うけど、3名の女学生がフロントを務める日本のバンドで、基本的には奇妙なダンスと奇妙な歌を猛烈なメタルのリフの上でパフォーマンスしている。数年前にGimme Chocoっていうシングルがメガヒットになった。
Dragon ForceとジョイントしてDownloadのステージで、その曲を演奏したんだけど、それは強烈だった。実際、このアルバムの発売も近く、2日にはWembleyでライブもやるし、キャパ55,000人の東京のアリーナで今年ライブを開催する事も発表した。そういった事実を否定する事は難しく、ギミック以上の存在だ。
ライブをDVDでもリリースしていて、そのライブはまさにスペクタクル。
自分のメールアカウントにこのアルバムのストリーミング用のリンクが送られてきた時には嬉しかったよ。

このレビューをする前には2度しか聴いていない。普通はもっと何度か聴いてみるものなんだけど。でもことBABYMETALにおいてはそれは問題にはならない。このアルバムは何度も再び聴いてみて、新しいものを発見したり、10回、15回と聴く事でより深く深くはまっていくものじゃない。2回聴いてみれば、合うものかどうかがわかるだろうと思う。それは華々しいど派手さを食らわせてくる。1度聴いただけでも、これがアリーナでのライブにどのように昇華されるかを思い描く事ができると思う。何よりこれは・・・絶対的に素晴らしいんだ。このアルバムは最高。僕はこれを好きなのかどうか、いまだに完全にははっきりとしていないけれども、だが疑う余地なく見事だ。

演奏、曲それぞれの構成、曲の多彩さ、そしてキャッチー。その曲の多彩さからライブのプロダクションが興味深くなる事が想像できるだろう。疑う余地なく・・・非常に、非常に感銘を受ける曲達が収録されてる。もし君がメタルを好きなら、そういった部分をたくさん見つける事になる。

僕はギターを演奏するから、歌詞よりリフにもっと耳がいく。このアルバムでのギタープレイの幾つかは途方もない程に良い。今年聴いたリフの中でベストなんかじゃなく、おそらくここ5年で聴いたリフの中でもベストだ。

取り上げたい曲が幾つかある。Road of Resistanceという曲ではじまるんだが、Dragon Force風の曲だ。派手で強烈でクレイジー。Amoreという曲もこれに近いね。アルバムがこの曲ではじまった時、僕は「わかった。なるほどね。こういう感じが12曲続くんだな。」って思った。でも全くそうじゃない。さっき言ったように、このアルバムは膨大なバリエーションを備えてる。

シングルのKARATEは発表されてしばらく経っているけど・・・なんてことだ。なんて素晴らしいグルーヴなんだ。少なくともここ数年で俺が聴いたリフの中でもベストの一つだよ。BABYMETALについて語る上で予想もされない事だと思うが、KARATEのリフがはじまる瞬間は信じられない程に良い。

ちょっと自分のメモを読むのに苦労しちゃってるんだけど・・・「アヴァ・ドラウマフィーバー」って曲かな?合ってるといいんだけど・・・。なんせアルバムの3曲目だ。これもまたリフが凄い。ニューメタル的な感触があって、Static Xがインダストリアルニューメタルになったような感じ。初めて聴いた時から間違いなく大好きになったよ。この曲は実際に何度か聴いてみているんだけど、聴く度にどんどん好きになる。

そしてYAVAという曲がある。不思議な事にFall Out Boyを思い起こさせる。Fall Out Boyと、多少Panic! at the Discoも連想する。ちょっとポップ寄りでとてもキャッチーで、これを聴けば笑顔が浮かぶ事を保証するよ。

それから奇妙なMeta Taroがやってくる。ほとんどフォークみたいに聴こえる曲で、そこにデスメタルのバッキングコーラスが入ってる。

それからDust Till Dawnっていう曲があって、これはもっとスロウな曲なんだが壮大でオペラ風の感触さえある。歌手のボーカルとしての質の高さを証明しているよ。

そしてGJ。これもまたリフにやれるし、物凄いグルーヴに満ちてる。

もしパワーバラードが好きなら、次にNo Rain No Rainbowがある。80年代のヘアメタルシーンから曲をそのままもぎとってきて、日本語のボーカルを乗せたような仕上がりだ。最後には英語で歌っている曲もあるんだよ。

このアルバムを貶す言葉を見出す事は出来ない。先にも言ったようにこのアルバムは最高だ。演奏はスケール外の素晴らしさ。ボーカルに関しては慣れるまでに少し時間がかかる。その大きな理由とは、外国の言葉によるボーカルを聴くのは十分に難しいものだけど、特に日本語はかけ離れた言語だ。日本語を全くわからないという事は、その言語構造のニュアンスに耳がいく事になる。でもそれも越える事ができるよ。音楽がとにかく良いし、幾つかのサビには強烈なフックがある。だから自然とハマっていくのさ。

全体的にBABYMETALをどう自分が判断してるのか、まだ多少混乱しているところはあるけれど、それでもこのアルバムは何か特別なものだ。音楽が素晴らしい。メタルという事においても、「あれはメタルじゃない。ただのギミックだ。」なんて声も聞かれていたけど、このアルバムのメタルを聞いてみなよ。このアルバムの音楽を聞いてみれば、これはリアルなメタルじゃないなんて言えないはずだ。並外れたものだよ。

このアルバムのおかげで来週のWembleyのライブに行ってみたいという誘惑に多少かられてる。BABYMETALについての自分の判断をまとめるためだけにでもね。そしてこれがどうライブに昇華されるのかを見てみるためにも。このアルバムを何度か聴いてみただけでも、そのライブが素晴らしいものになるのはわかってるから。

BABYMETAL。メタルレジスタンス。4月1日発売。ただのギミックなんかじゃなかった。
何であれ、このアルバムは聴くべきだ。ギミチョコからどれだけ成長したのかを確認し、そして素晴らしいリフを聴くためだけにでもね。馬鹿げたくらい良いリフだ。なんらかのヘヴィーミュージックが好きなら、このアルバムにメタルを見出す事ができるはずだし、好むか好まないかにかかわらず、メタラーが気に入る事ができる音楽だという事には賛成するはずだ。チェックしてみてくれ。その価値はある。


9 件のコメント:

  1. これはすごい・・・情熱的で、感情の高ぶりと驚嘆、恋慕に近い音楽への憧憬が伝わる名訳です。早く聞きたい! そしてこちらのレビューが拡散されてほしい!
    翻訳ありがとうございます。

    返信削除
  2. BABYMETALとDragon Forceのコラボレーションの写真の一番下に、LIKEという評価するところがあります。
    押すと数個の赤いハートが舞って可愛いです。
    肝心の記事は今から読みます。
    いつもありがとうございます。

    返信削除
  3. なんか泣けますね。。

    多くのミュージシャンが出しているアルバムの中の一レヴューに過ぎないことかも知れない。しかしこのレヴューをはじめ様々な「METAL RESISTANCE]のレヴューは愛に溢れているしBABYMETALが次々と打ち負かしていってるんだって感じる。

    たぶんこの先何度もBABYMETALには泣かされるだろうけど日本人として誇りに思います。

    発売日が待ち遠しいしウィンブリー楽しみですね。

    返信削除
  4. アヴァ・ドラウマフィーバーwww
    しっかりせぇデイヴwww

    返信削除
  5. 音楽に疎いんで教えて欲しいのですが、DAVE氏の絶賛しているkarateのリフというのは頭のうねるようなサウンドのことでしょうか?それともセイヤソイヤパートのサウンドのことでしょうか?

    返信削除
    返信
    1. ロック・メタルの文脈におけるリフというのは主にギターで繰り返されるフレーズの事なので、どちらもリフではあるのですが、はじまる瞬間とおっしゃっているので、おそらくは頭のうねるようなパートの事だと思います。
      あのリフは◯◯風と形容しがたく、非常にオリジナリティがあると自分も思います。

      削除
  6. ありがとうございます!自分も頭のパートと思ったのですが調べてみると「フレーズを繰り返す」とあったのでセイヤソイヤのパートの事かと思いまして。

    返信削除
  7. レビューだけでも人それぞれに好きな曲が違うのが面白いですなー

    返信削除
  8. なんだろ

    自然と涙が。

    返信削除