2016年3月1日火曜日

【METAL HAMMER】メタルレジスタンス全曲ミニレビュー

Redditに投稿されていた雑誌スキャンの翻訳です。今のところ全ページスキャンはアップされていませんが、仮にアップされても電子書籍版リリースまでは翻訳しない意向ですのでご了承下さい。

Road of Resistance

BABYMETAL進化の舞台として一年前にリリースされたこの曲は、ポップとメタルの合成をこのバンドによる最良の形で示したものだ。キツネアップ!

KARATE

たくましいモダンメタルのリフとマイナー調のボーカルで始まり、アイドル的なサビへと入っていくまでにKARATEは強烈なパンチをお見舞いする。ヘッドバンギングするために首の準備をしろ。

あわだまフィーバー

チョコレートの事は忘れよう — やっぱ今は「チューチューチューインガム」が全てさ。昨年11月に発表されたこの曲では、裏に流れる凶暴なドラムンベースが、Kobametalのジャンル融合狂と足並みを揃える。

ヤバッ!

トチ狂ったビデオゲームのようにして始まり、Eurovision*1の分野へと変化していくその前に、強烈なニューメタル*2のリフが神秘的に響くブリッジへと連れていく。

Amore - 蒼星 -

バラードのように始まるAmoreは、友人であり共作者でもあるDragonforceから手がかりを得て、迅速にリフ中心の領域へと傾斜する。Su-metalの歌は大したものだ。

META!メタ太郎

BABYMETALというより、Battlemetalと言える。賛美歌のようにはじまり、バイキング戦士のような男性の声がこの曲名を叫ぶと、隠喩的な大型ボートに乗せられている。

FROM DUSK TILL DAWN

Bring Me The Horizonからの大きな影響が見える。電子音が重ねられ、Can You Feel My Heart*3のような雰囲気があり、それがSkrillexへと突如変わるのだ。

GJ!

このタイトルの意味は不明瞭だが、「モンスター モンスターホラー!」という歌詞がある。このヘヴィネスとメロディーの融合はBABYMETAL によるフランケンシュタイン*4曲の究極形だ。

Sis. Anger

これはデスメタル曲!ヨハネの黙示録からの恐ろしいサンプル、ノイズの猛烈な突風と幾らかのシンコペーションするボーカル。

No Rain No Rainbow

ヒントはタイトルにある — X JapanのEndless RainとGuns N' RosesのNovember Rain*5に異様に似ている。甘いストリングスと鈴の音のような鍵盤から、大いなるバラードが注がれる。

Tales of Destinies

今までで最もブッとんだ曲。多量のマスコア*6が雪崩れ込み、急速なパワーメタル*7へと変容していくその最中、Su-MetalはLady Gagaのように甘くささやくように歌いあげる。

THE ONE

ライブにて演奏された別の曲。これはディズニーの「アナと雪の女王」とヘビーメタルを掛け合わせたものだ — アリーナを照らすために作り上げられた厳粛な楽曲である。幾人かには不快となり、その以外の人々は熱狂させる*8Fox Godからの別れの一言である。


Redditにてアルバム全曲を事前に聴いたと思われる投稿者が、「モンスター モンスターホラー」なんて全然言ってないという事と、メタ太郎がちょっとSabaton*9ぽいという事を伝えています。

訳者注釈:

*1 Eurovision

ヨーロビジョンソングコンテストという欧州各国代表が勝負する歌唱コンテストの事。ポップな歌の比喩表現として用いられているものと思われます。

*2 ニューメタル


KornやLimp bizkitに代表されるグルーヴ重視で、明瞭な旋律をもったリフを特徴としたメタルのサブジャンル。ヒップホップの影響を受けたものをニューメタルとする傾向もあるが、実際にはその限りではない。

*3 Can You Feel My Heart

BABYMETALをサポートしてくれている事で、ファンにも馴染み深いBring Me The Horizonによるシングル。楽曲構成、ビートアレンジにSkrillexがパイオニアとなったジャンルBrostepからの影響が見受けらる。
また本楽曲は多くのEDMが採用しているテンポであるBPM128を採用している。

*4 フランケンシュタイン

英語での表現においては、継ぎ接ぎに作られたものや、人工的に(いびつに)生成されたものの比喩表現としてフランケンシュタインという言葉が用いられます。


*5 Guns N' RosesのNovember Rain


同バンド代表曲の一つでもある壮大なバラード曲。

*6 マスコア

 
こちらの記事で引用されていたDillinger Escape Planなどがパイオニアとなったメタルのサブジャンル。
変拍子を多用しジャンルを飛び越える展開の多いマスロックというロックのサブジャンルと、メタルコアを掛け合わせたようなジャンル。
悪夢の輪舞曲やKARATEに影響を与えているジェントというジャンルにおいては、変拍子ながらも4分の4としても採る事ができるリズム構成が中心である事に対し、マスコアは変拍子やポリリズムを多用しつつ、4分の4で採れる事に拘りがない事も特徴。

*7 パワーメタル


Dragon Forceに代表されるメロディアスで疾走感のある楽曲を特徴としたメタルのサブジャンル。

*8 幾人かには不快となり、その以外の人々は熱狂させる。

こちらの原文は"Anathema to some, rapturous to others,"であり、ANATHEMAというプログレッシブメタルバンドがいる事から、「ANATHEMAのようにも聴こえ、そう聴こえない人は熱狂させる」と訳す事もできますが、バンド のANATHEMAをここで引用するならば大文字を使うだろうと思われる事から、このように訳しています。
※本箇所の訳はネイティブにも確認してみました。

*9 SABATON


戦を鼓舞するような男らしい曲調に特徴があるスウェーデンのパワーメタルバンド。ベーシストのパル・サンドストロームがBABYMETALを絶賛していた事も。

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