2016年3月16日水曜日

【Metal Hammer】人種差別主義はメタルではない

コメント欄にてリクエストを頂戴したMetal Hammer281号掲載記事の翻訳です。

この記事を読んでいただく前提として知るべき起こった事件の詳細を。
元PANTERAのボーカリストPhilip Anselmoがライブ後のステージでナチ式の敬礼をした後に「White Power!」という白人至上主義のスローガンを叫ぶシーンがYouTubeから拡散し、メタルシーンを中心に大きな議論を呼びました。

当人は後に「あれは身内向けの冗談の一環だった」と謝罪と共に述べていますが、アメリカ社会において人種差別に基づく行動は冗談では済まされず、問題は後を引き、Philip Anselmoの現在のバンドDOWNのライブがイベンターによってキャンセルされたり、多くのアーティストが非難声明を出す事態にも至っています。

以下、Metal Hammerの記事翻訳です。

Alexander Milas著

 私が何について述べているのかわかっている事だろう。報道されたPhilip Anselmoのふるまいは残念であり、耳障りでもあった。そこには象徴、ステージの伝説がいた。トラブルと輝かしさからなる25年のキャリアによって誰もが知る人物となった彼が非難に価する行動に出た事により、メタルの世界は一旦停止し、その全員が「一体全体何事だ?」と口を揃えたかのようだった。
全員ではなかったようだな?それに続いた怒号の騒ぎの中には、ショックを受けぞっとした我々だけではなく、多くの彼を擁護にまわる者達もいた。
 罰を免れぬ愚かな誤りに基づく行動をした彼への救済があるのか待つ間、我々に浮かぶ本当の疑問とは、来たる先々に雑誌とネットで我々が取り組む問題が、メタルの中により深く、より広く浸透しているのかどうかという疑問だ。結局、我々の文化を定義づける音楽とはメタルを素晴らしいものとする一つの要素にすぎない。それ以上に素晴らしいものとは、この事がその集団の中で欠かせない健全な議論の火種となり、何が許容でき、何を許容できないのか、そして、その一員が許しがたい行動を公然と過ちを起こした時に、いかに前へと進むのかを論ずる機会となった事だ。
 この今月号の表紙も我々が論戦と馴染みある事を証明している。西洋初となった前回のBABYMETALの表紙への反応は全くもって見事だったが、批判的な人々も相応にいた。Watainによる直球の怒りや、Slayerの獰猛なビート、Iron MaidenやMetallicaの強力な打撃にも平然としている音楽リスナーが、日本からやってきた三名のとてつもないエンターテイナー達がステージに立ちメロイックサインを掲げる事に、本当にあれ程まで恐れをなすのだろうか?一つ明らかな事がある。:  彼女達を好きか否かに関わらず、BABYMETALは停滞する兆しもなく、歴史に残るライブになると確信している数週後のウェンブリーのステージに立つ彼女達を我々は待ちきれずにいる。メタルが前へと進む為のまた違う新たな道だという事だ。ピットで会おう。そして…Stay Metal(訳注: メタルで居続けろ)!

Metal Hammer編集長

ソース: Metal Hammer 281号

18 件のコメント:

  1. 私説で恐縮だが、メタルが誕生した源泉は、既成の固定概念や偏見に対しての反抗からだった筈だ。その中には当然差別主義も含まれる。メタルは反体制主義と言われるかも知れないが、それは自由への戦い・挑戦でもある筈だ。
    閉塞し死に絶えようとするジャンルと言われたメタルに、新しい息吹を吹き込もうとするBABYMETALに対して拒絶し否定しようとするメタル原理主義者(エリート)は本来のメタルの魂を見失なっていると思う。
    年齢・性別・言語・人種・国境・宗教・音楽ジャンル、あらゆる物の垣根を越えてボーダレスに世界を一つにしようとするBABYMETAL。
    たとえそれがコンセプト上のストーリーであっても、素晴らしい事だと思う。

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    1. ステージを見れば、彼女たちがいかに真剣に、全力を注いで自分たちの世界を表現しているかが分かる。音楽に対して真摯に、全力で、リスペクトと礼をもって向かいあっている。そしてその完成度と言ったらとてつもない
      ベビメタをギミックと嘲笑するやつは、音楽そのものを嘲笑していると思う

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    2. 既成の固定概念や偏見に対しての反抗、自由への戦い・挑戦というものにおいてはハードコアな世界に行くとブラックメタルのナチズムやレイシズムとの結びつき、oi、ネオナチ、スキンズ等々の間違った方向の反抗、自由への戦い・挑戦がある。
      つまり何に対して不満を持ってるかによって答えは大きく変わってしまい強固なコミニティ、ダークサイドが誕生してしまう。

      差別意識は理屈では無くならないという根源的な話では無くこういったものがメタル、パンクから生まれてしまう事に対する明確なNOを叫ぶのが真のメタラー(メタルコミニティにいる人間の矜持)Stay Metalである。

      BABYMETALは見る人から見れば破壊者(敵)であり、見る人から見れば破壊創造から再構築(救世主)する存在にも見える。

      そんなBABYMETALがメタルの世界に叫ぶのが「we are THE ONE」である。

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  2. 結局、欧米人のBMアンチの根源には人種的偏見も有ったんだな。
    そんな、彼らを自己批判せしめるだけのパワーとインパクトをBMは持っていた訳だ。
    アウエーを捻じ伏せ続ける、SUの持つ信念と力量が人種偏見の壁をも撃破した。
    伝説の「島唄」から垣間見えるSUの持つ高潔さが、その信念の根源だろう。
    それがメタルヘッズにメタルの精神を思い起こさ、Stay Metalと言わしめた
    …と言う事だろう。改めて、SUに惚れ直した。

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  3. ベビメタがブレイクした時に人種問題は予想されたことだ。
    それを表出したのがMetal hammerだということで、非難するに値しない
    「どうせそうだろうな」という此方側の消極的な感情も、どうせ奴らは黄色人種だからなというあちら側の消極的な感情と同じようなものだ。
    ここキモであるべきことは黄色人種のメタルだからと消極的に避けてしまう欧米のリスナーを如何に振り向かせるかであって、人の持つ人種差別的傾向という免疫システムはまた別の問題だろう。
    保守との戦いはそう簡単ではない。
    BABYMETALは欧米のある種の人々にとっては猛毒でもあるかも知れない。
    コバが石橋を叩いて渡るタイプであるのには訳があるということだろう。

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  4. 人種差別なんてメタルや欧米に限ったことではない。日本人にもあるでしょ。もちろん私にもある。熱心に差別反対を唱える人たちでも差別意識は0ではないわな。それが現実だ。おそらく差別意識は理屈では無くならない。
    BMは、そんなことの有無なんか関係無しに圧倒的な正(笑顔・真心)のパワーで吹き飛ばしますよ。我々メイトの役割は、ライブや円盤物品でしっかりお金を使ってBMを応援することw。

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    1. それを公的な場で表出することには大きな違いがあるかと。
      建前でもポリティカル・コレクトネスでもなんでもいいですが、また社会的な抑止というのも現代には存在するわけで。
      問題はその抑止が機能するか否か、ということでしょう。

      その点は、この事件に対するこのメタルハマーの記事でも指摘されていて「我々は看過することなく議論をした」と評価している。
      BABYMETALは海外でも多くの批判や、特に差別意識を滲ませるような愚かな非難も受けたけど、しかしそれ以上に力強い擁護や支持を受けてきたことまた事実なわけで。

      この「自らの立場や態度を明確にして意見を表明し、時に議論となる」というのは、日本には無い欧州や北米で見られる一つの良い点だと思いますよ。

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  5. あんまりベビメタと関係ないような
    こじつけに感じる

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  9. 個人的な意見だけど、Metal Hammerが、人種主義への皮肉、批判にベビメタを使うのは
    ハッキリ言って不愉快だ。彼女らをそんな政治の道具にしてほしくない。

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    1. だったらthe oneなんていうベビメタがおかしい。
      差別に反対することすら問題視されるなんて、いつの時代に戻すつもりだ。

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  10. 管理人さん、ありがとう!!
    ハマーが言いたいことがやっとわかったよ。
    俺は差別されたことあるからよくわかるな。やられた側に憎しみと怒りしか残さねんだ。
    反対するのに躊躇すべきでないわ、むしろ日本でこそね。

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  11. ここでは問題を区別しておかなければならないことが一点。

    ある醸成されたコニュニティーに新規参入者が加わる場合に、
    そのコニュニティーにふさわしいものとなる為、周囲からの
    注意・喚起 (ある場合には罵倒も含め) などの、ある者から
    すれば、押しつけともとれるイニシエーションが行われることもある。
    これを「郷に入れば郷に従え」とも言い換えることも出来る。
    そのコミュニティーを知らぬ闖入者が、なんでも好きにして
    いい訳ではないし、その安定した秩序を破壊したり、むやみに
    乱していいものでも無い事からその抵抗作用が発動する訳で
    それ自体を私は否定しないし、悪いことでも無いと思う。

    差別する気持ちというのは多かれ少なかれ誰もが持っていて、
    それを拭い去ることは困難。それ故に普遍の問題として存在するが、
    だからこそ、コミュニティーも新規参入者も一番陳腐で安易な方法である
    人種差別と繋げて一緒くたにして論議してはならないということだ。

    立場が変われば、その両者にも言い分があり、正当性があるのだから、
    言い換えれば、どちらも加害者になりうるし、被害者にもなりうるからだ。

    新規参入者はそのコニュニティーに敬意を示し、自分のしようと
    していることが、いかに有益かを説得しなければならないし、
    コミュニティーは、聞く耳を持ち正しく指導して受け入れるべきだ。
    強引な行動は軋轢を生むだけだし、ベビメタ陣営もこのことを
    充分に理解し慎重に海外でその為の行動をやっていると思う。

    だから、メタル・ハマーが記事で表明したことは、
    「好き嫌いはご自由に。でも差別に繋げてメタル界を破壊するな」
    という至極真っ当なことで、コミュニティーを守る者として正しい。

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  12. MHはどんだけBM好きなんだよ?www このネタにBMをからめてくるとかwww

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  13. IDZからThe ONE までを貫くメッセージを、音楽マーケティング上の冗談としてとらえるファンも多いが、僕は割と真剣に受け止めている。いじめや差別は政治的な問題と言うよりは人間社会の問題であり、心の問題だ。音楽が時代に対して働きかけるべき対象だと思う。
    しかし中には熱狂的なメイトでありながら隣国のファンへの差別的なコメントも吐く奴も散見する。メタルを分かっちゃいないと言いたいところだが、メタルにはそれほど詳しくも無い。
    だが、インタビューなどに見る三人の少女達のガラスのような夢「私たちの音楽で世界をひとつにしたい」、それがダイヤモンドになるように、少しでも応援するのが、本当のファンというものだろう。

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