2016年3月15日火曜日

【TEAM ROCK】メタルレジスタンス レビュー

TOKYOからきた10代のメタルセンセーションによる強力なセカンドアルバム

Stephen Dalton著

BABYMETALは企業が作り上げたポップスロボットか?もしくは2000年代のヘヴィーミュージックに最も斬新な変化をもたらすエキサイティングな存在だろうか?どちらも正解だ。

日本の「Kawaii Metal」十代のセンセーションは意見を二分するが、このセカンドアルバムは彼女達の先鋭的な音楽チームの才覚を証明している。巨大なスケールで構築されたメタルレジスタンスは音と激昂のみなぎるモンスターであり、ゴジラが東京中で暴れまわるかのごとくロックのジャンルとアイディアの間を駆け抜ける。



昨年既に発表されたDragonForceとのコラボレーションであるRoad To Resistanceが、ワグナー風*1パワーメタルのダイナミクス、甘いボーカル、そして壮大なブロードウェイショー調のサビで、過激主義者の音を打ち出す。壮麗である。

ここからBABYMETALは、キュートなエレクトロポップをNu Metal*2のグルーヴに重ね、交響的なオーケストレーション、兵器級の速弾き、Trip Hop*3、Dubstep*4そしてBrian May*5クラスのギターソロとあらゆる方向性を一度に引きずり込む。

そこには急展開と驚きがある。感傷的なパワーバラードNo Rain, Norainbowがその身を病ませようとするも、決してそうはならない。そしてTale Of The Destiniesは、Jazz Metal*6、Avant Punk gruntcore*7そしてboogie-woogie*8のピアノによる大胆な実験的マッシュアップだ。最大級の敬意を払う。ハードロック純粋主義者達よ。覚えておけ。: BABYMETALの多次元宇宙には、お前達の矮小の哲学の中で夢見る以上の物があるという事を。

時に圧倒的、主に活気的、そして時折に驚愕させるメタルレジスタンスは歴史上制作された中で最も素晴らしいアルバムである。10点満点中10点かって?もし11点が与えられるなら…


訳者注釈
*1 ワーグナー風
大げさだったり壮大な作風の事を指す比喩表現としても使われる。

*2 Nu Metal

KornやLimp bizkitに代表されるグルーヴ重視で、明瞭な旋律をもったリフを特徴としたメタルのサブジャンル。ヒップホップの影響を受けたものをニューメタルとする傾向もあるが、実際にはその限りではない。

*3 Trip Hop

アメリカのDJ Shadow、日本のDJ KrushなどがパイオニアとなったHip Hop的なブレイクビーツに抽象的または浮遊感のある上モノが乗ったジャンル。インストの楽曲が多いがその限りではない。

*4 Dubstep

現代のダンスミュージックの中心でもあるEDMのサブジャンル。BPM140、表拍にキック、裏拍にスネアを配置し、その間をうねるベースシンセが走る構造が主。

*5 Brian May

Queenのギタリスト。キャッチーな旋律に特徴がある。

*6 Jazz Metal

JazzとMetalを融合させたバンドや楽曲は数あるもののジャンルとして確立されてはおらず、ここでは筆者の造語として使われている。

*7 Avant Punk gruntcore

Avant Punkとは実験的かつ芸術的な方向に進化したパンクのサブジャンルであり、NYで70年代に起きたNo Waveというムーヴメントに位置するか、または影響を受けたバンドを指す事が多い。
gruntcoreというジャンルは存在せず、Grindcoreのタイポでなければ、gruntとは豚の鳴き声などを指す言葉である為、奇怪な音楽という事を強調する為に付与された筆者の造語と見られる。

*8 boogie-woogie

1920年代に発生したスウィングを用いたダンスミュージック。現在でも多くのロック、ジャズに採用されるビートの源流となっている。

ソース: TEAM ROCK

9 件のコメント:

  1. 「メタルレジスタンスは歴史上制作された中で最も素晴らしいアルバムである。」
    ・・・なんと!!

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  2. 絶賛じゃないですか!
    評価11点/10点中(^_^;)

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  3. ※BABYMETALの多次元宇宙
    的確な表現ですな。それこそBMの最大の魅力。

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  4. 管理人さん。

    「That's Not Metal」の翻訳は中止ですか?
    https://soundcloud.com/hillandbeez/born-to-be-wyld-stallyns

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    1. ほんのしばらくだけお待ちください。
      翻訳は完了しています。

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  5. なんじゃこりゃああああwww

    大絶賛じゃないですか。
    ここまでベタ誉めされると期待せざるを得ませんね。

    しかしこれもチームベビメタが積み重ねてきた努力と実績が評価されたからこそだと思います。

    こうした海外の反応に一喜一憂できるのもベビメタの楽しみの一つですし、管理人さんを始めとする翻訳の神々のおかげです^^

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  6. 前のコメント欄で翻訳をお願いした者です。一気にネタがたくさん出てきて大変!
    管理人さん、どうぞご自分の都合に応じて無理せずお願いします。私のあつかましいお願いなので、応えていただけるだけで有り難いです!遅くなって構いませんよ!

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  7. boogie-woogie pianoはドリムシのこの辺みたいなパートがあるってことかな?
    https://www.youtube.com/watch?v=MshUFnfEfeA#t=2m30s

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  8. Grindcoreは実はAvant PunkというかNo Wave(スワンズとか)に影響受けてる(だからジョン・ゾーンとかとも関係深いしボアダムスのファンも多い)けど今回はたぶん関係なさそう

    俺得な曲の予感

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