2019年10月14日月曜日

【KERRANG】特集記事「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 」


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Prvisが表紙の11月号が本インタビュー掲載号です。


ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 

そして、そこには2人。1年前の衝撃的なYUIMETALとの別れを経て、BABYMETALが帰還した。
より勇敢に、より強く、より大きな望みを抱き。そしてSU-METALとMOAMETALが、今まで以上に、その姿を明かす・・・


 BABYMETALのサード・アルバムであるMETAL GALAXY。SU-METALにとって、彼女の心に非常に身近な特定の曲があるのだという。Shine。それはアルバムのクローザーの1曲手前にあり、共鳴する6分間を一気に浴びせながらも、そのKawaii Metalグループ基準においては比較的剥き出しの曲である — ギターソロがたった1度しかない程に「剥き出し」だ。彼女がスタジオでレコーディング中に注いだ感情を思い起こす。光と希望という、その曲のメッセージに感化された感情。ファンに届けたい力がその曲にはあり、その機会を楽しみにしていると語った。
 「もし誰かが闇と対面しているとしても、そのトンネルの終わりには必ず光があるんです。」彼女が歌詞を引き合いに出しながら語る。「自分を信じたり、何か1つのことを信じるのは、実際のところ難しい事です。そこには、たくさんの乗り越えなければならない障害があるから。でも自分を信じていれば、そこには必ず大きな光が待っていてくれるんです。この曲を歌うと、いつもたくさんのモチベーションが自分に与えられるんです。」
 BABYMETALの音楽と連なる、Fox Godと霊魂達の巨大なサーガは、広大になり、独自のスピンオフとして昨年末に発売されたグラフィックノベルへと波及する程だ。先のSU-METALの言葉のように、素朴で地に足のついた心情は、難解な神話の中で見失われてしまいかねない。しかし、困難の時を乗り越える事について、そのシンガーが感じる曲との繋がりは、2016年のMETAL RESISTANCE以来のバンドの旅路を鑑みると、神話以上の深みがあると感じられる。

 結成メンバーであるYUIMETALが活動8年目に、BABYMETALと道を分かつ事を発表し、SU-METALと彼女のパートナーであるMOAMETALが、デュオとして取り残されてから、約12ヶ月が経過している。それは、BABYMETALの2018年のワールドツアーにて、その元メンバーの不在について説明がなく、何ヶ月もの混乱と疑念が続いた後のニュースであった。常に秘密主義的活動を行うバンドではあるものの、そのシナリオの中、外に関わらず、そこには謎が残されたままとなっていた。
 それら事実が意味するのは、METAL GALAXYが、YUIMETALが居ない状態で初めて制作するアルバムであるという事だ。しかし、その事だけが、BABYMETALにとって新たな時代が始まったように感じられる理由ではない。今や、残ったメンバー両名共に大人となった。現時点でSU-METALは21歳で、MOAMETALは1歳年下であり、バンドに加入した時は、それぞれ13歳と11歳であった。学業とショーのバランスを取っていた時期は、とうに過ぎている。それぞれが各々のビジョンと、バンドが出来うる事への強い願望を抱いている。そして、その事が音楽自体と繋がっている。METAL GALAXYは大志とアイディアの詰まったおもちゃ箱を放つ事で、バンドがネクストレベルへと進む用意がある事を示すだけでなく、ヘヴィーミュージックにとって、全く新しい何かを創り上げる用意がある事を示しているのだ。
 運命の意外なる展開により、METAL GALAXYは、BABYMETALがロサンゼルスのThe Forumに出演する同日に発売される。機会を与えてくれる地[訳注:アーカンソー州のニックネーム]で、初となるアリーナヘッドライナーショーだ。アメリカ人も、やっとBABYMETALの見事に過剰なライブショーに追いつきはじめているのだ — Bring Me The Horizonが今年、東京で行われたSummer SonicでBABYMETAL直前に出演した時、フロントマンのOli Sykesは、彼がこの町に来たのは彼女達の為に観客を温める為に来たに過ぎないと発表していた。
 今夜、METAL GALAXYワールドツアーはミネソタ州ミネアポリスへとなだれこみ、アメリカ本土の長旅も中程となった。ここまでのハイライトを尋ねたところ、SU-METALはフィラデルフィアのファンが、ニューシングルPA PA YA!!にて、狂乱の様子で頭の上でタオルを回していた様をノミネートした。
 「3年前と同じ会場に出演したんですけど、その時はほとんどの人が私達の事をあまり知らなかったんですね。皆さん『この女の子達のグループ、凄く面白いね』って思ってる感じでした。」彼女が言う。「でも今年は同じ会場でも、ファンの方々が私達を見る為に集まってくださってる、っていう反応で。だからとても嬉しかったです。」
 「日本語を覚える事が本当に難しいってわかっているので、ファンの皆さんが日本語の歌詞を覚えてくださってるのが見られて、本当に素晴らしいなって思います。」そのライブについてMOAMETALが加えて述べる。
 BABYMETALが話す事を望んだり、望まなかったりする特定の主題がある。それはドーム状の秘密主義に覆われたSuzuka NakamotoとMoa Kikuchiのプライベートな生活、そして未来の計画についてである。彼女達のキャラクターにかけられた魔法が解けるかもしれないという恐れの為だ。実際、マントラの詮索が過ぎた質問は優しくシャットダウンされ、その「Only the Fox God knows」という文言は名刺代わりのようにもなっている — このグループについてのインタビューで、その返答がなされていないものを探してみようとすれば、長い夜を要することになるだろう。それでも尚、通訳を介して私達に話す彼女達個々のパーソナリティが、輝きを見せるまでに長くはかからなかった。
 例えば、Kerrang!が双方のメンバーに、BABYMETALを始めた頃の若い自分へのアドバイスを尋ねた時だ。MOAMETALはショーの前にストレッチをもっとするように、と冗談めかした。「私がもっと若かった時は、ウォームアップしなくても、ダンスしたり思い通りにできたんです。」彼女が語る。「でも今は年を重ねたので、ウォームアップしなきゃだめなんです。」一方、SU-METALは随分と思慮深い反応を返した。「自分の直感を信じるように。」と答えたのだ。
 私達は、ツアーを通じて出会ったアーティストや、ミュージシャン達について語った。ネット上には多様なアクトと彼女達のスナップに溢れている。Metallica、The Red Hot Chili Peppers、All Time Low、そしてごく最近にはオルタナティブ・ポップスターBillie Eilish。全員がFox Godホーンを掲げているのだ。MOAMETALが、今もなお一番会いたい相手は、アメリカのプログレッシブ・メタラー達であるDream Theaterだと言う。彼らはBABYMETALの2016年の曲、Tales Of THe Destiniesに影響を与えたバンドだ。彼女達が貰ったアドバイスの中でのベストは、Judas Priestのレジェンド、Rob Halfordによる「Always stay Metal」という言葉だ。
 「Rob Halfordが私達にStay Metal[訳:常にメタルでありつづけなさい]と、言ってくださった事は、常に心の中にあります。」SU-METALが語る。「私達が障害にぶつかった時や、悪い批評を受けた時、いつもその言葉が頭に浮かぶんです。」
 障害について彼女達が語るならば、自然と話題はYUIMETALの離脱に向かう。昨年10月、彼女はファンに対して体調が悪かった事、そしてBABYMETALには戻らずにソロとしてのキャリアを目指す事を告げた。[略:水野由結による脱退時の公式声明]
 一年が経った今も、残された2人にとっては最低限必要な時間以上、この件について話す事は気が向かない様子だ。
 「YUIMETALは私達にとって今も特別な人です。ですから、もちろん非常に辛い事なのですが、私達は彼女が求める道を全力でサポートしたいんです。」これが今日、SU-METALが沈んだ雰囲気で語った言葉だ。今年のスタート以来、Avengersとして知られるローテーションするトリオのバックアップダンサーが、YUIMETALの役割を埋める為にステージに登場しているが、2人は公式メンバー加入についての会話を一切した事がないと宣言した。
 「私達は、BABYMETALとその伝統を、続けていきたかったんです。」SU-METALが説明する。「それに、YUIMETALのような人はどこにもいませんから、交代は簡単な事ではありません。だから私達、SU-METALとMOAMETALでBABYMETALの核を形成する事を決めたんです。」
 デュオになった事で2人の関係性は変わったのだろうか?
 「私とSU-METALの絆がもっと強くなりました。」MOAMETALが語る。「もっとお互いの事が理解できるようになったって思うんです。始まった頃から、ずっと本当に近くにいたんですけど、BABYMETALをSU-METALと一緒にやれている事に、強く感謝しています。彼女は私が頼れて、信じられる人なんです。」
 SU-METALとMOAMETALの気力と魂が、その揺らぐ時期のBABYMETALを抜け出させる舵取りとなった事を、バンドのプロデューサーであるKOBAMETALが強調する。
 「YUIMETALの脱退は、彼女達が経験したこともないようなものであったことは間違いありません。」彼が語る。「BABYMETALにとって辛い時でしたが、SU-METALとMOAMETALにBABYMETALを続けたいという強い意志があったんですね。彼女達はグループの核になりたいと望みました。それがBABYMETALが進化を続ける事が定まった時だったと思っています。」

 謎に満ちたKOBAMETAL — 公の場では、ほとんど全身を包むスケルトンの衣装を着用する彼こそが、糸を引くクリエイティブ面の黒幕であると見られている。9年前、東京でBABYMETALを立ち上げ、あらゆるクランチーなブレイクダウン、ステージ上の爆発、Fox Godの「予言」まで、全ては彼の脳というフィルターを通されたものだ。それであっても、METAL GALAXYのコンセプトは最も広大かつ複雑な成果かもしれない。
 前フルレングス・アルバムであるMETAL RESISTANCEから3年半を要した事の理由の1つに、YUIMETAL脱退も含まれる事を彼は認めたが、その時間を要した主な理由は制作していたものの壮大さによるものでもあった。
 METAL GALAXYを説明する為に、KOBAMETALはBABYMETALが宇宙を旅し、様々なメタル銀河を訪れ、学んでいくという絵を描いた。比喩上ではなく現実においては、継続的な世界ツアーによる様々な文化や音楽スタイルとの接触だ。全く新しい何かを創る事を目指し、そういった経験をアルバムへと彼が活かしたのだ。
 「今回、私達は初めてメタルの新ジャンルに挑戦したのです。」彼が語る。「今まではメタルのサブジャンルを探求してきました。ジャパニーズ・メタルやヨーロッパのベース・メタル、そしてフォークメタル。今回は様々な多岐に渡るメタルに挑戦しています。ジャズやフューチャーベース、そしてヒップホップやインド音楽やラテン。メタルの新たな領域を、探索しているのです。」
 METAL GALAXYが、いかに多岐にわたる影響の元にあるのかを理解する為には、14曲内に登場するコラボレーション相手を見てみるといい。タイ人ラッパーF.HeroがThe Prodigy風味のPAPAYA!!にて、瞬間的に燃焼させるバースで登場し、スウェーデンの快楽的メタラーSabatonのJoakim Brodenが、フォークが注ぎ込まれたOh!MAJINAIで酒をがぶ飲みする。おそらく最も人目を引くのはArch EnemyのAlissa White-Gluzが、死と怒りでSU-METALの明度を引き立たせる破壊的楽曲Distortionだ。
 楽曲が書かれた後に、あたかも「パズルの最後のピースを探す」かのようにゲストが加えられた事を、そのプロデューサーが説明する。SU-METALは、様々なボーカリスト達と対決する新たな機会を、楽しんだと語っている。「たくさんの様々なアーティストとコラボレーションできた事で、私達のジャンルの音楽的レンジが広げられたって思います。」彼女が語る。「BABYMETALは常に進化していますから、今回も新しい何かに挑戦できているといいなって思います。」
 それこそKOBAMETALの志すところである。METAL GALAXYでBABYMETALが見せた実験は、将来BABYMETALがメタル界の巨大な偶像達の影から抜け出し、独り立ちした勢力となる為のものだ。
 「他のアーティストが、誰もやった事がない事をしたかったのです。」彼が語る。「メタルというジャンルには伝説のバンドがいますよね。Iron Maiden、Judas Priest、Metallica。BABYMETALはそういった伝説のアーティスト達から、インスピレーションを多く得ています。ですが、そういった伝説のバンドと同じ事をしたいわけではないんです。それは彼らの特色ですから。私達が、きちんと次の世代にメタルの美しさを伝えたいのですが、それはBABYMETALの感じるメタルという形で伝えたいんですね。」
 その世界において、BABYMETALを他と異なる存在としているのは、もちろんFox Godの存在と、バンドのストーリーブックの物語が伝える色鮮な深みだ。KOBAMETALが、METAL GALAXYのプロットラインの大部分を暴露するとは誰も思わないだろうが、彼は二面性についての見解を説明してくれた。二面性とは、BABYMETALの中心に常にあったものであり、このアルバムにおけるキーファクターにもなっているのだ。
 「BABYMETALには光の面と闇の面があります。衣装でも、色は赤と黒。そしてパフォーマンスを通じても表現されていますし、その全てを合わせた体験としてもです。」彼が語る。「今回は光の面と闇の面を表現する事が、本当に重要だと考えたんですね。なぜなら対極にある2つの因子が、互いの均衡を作り出しているからです。」
 彼が預言者モードに入った時、着いていくのは至難の業だ。しかしその対極にある力がMETAL GALAXY一体の美しき姿を帯びさせるのだと、彼は続けて明かす。SU-METALが太陽を表し、MOAMETALが月を表す。
 「どちらも光を放ちます。」彼が謎めいて話を伝える。「しかし、それぞれ光を放つ時の環境が異なっているのです。」
 BABYMETALを包む宇宙が拡大しているとするならば、それはSU-METALとMOAMETALが、彼のビジョンによって成長しただけでなく、彼女達それぞれの能力なくてはあり得なかった事を、そのプロデューサーが指摘する。彼は娘を誇りに思う父親かのように、日本の小さなライブハウスでの初ライブ、そして2016年に東京ドームで2夜のヘッドライナーライブで10万人以上を動員した事を、比較して語る。
 「彼女達は本当にたくさんの経験を積み、彼女達のスキルの幅と深みを広げてきました。」彼が語る。「彼女達は、パフォーマンス面でも成長していますし、ステージ上での自分達の見せ方という面でも成長しています。」
 「9年間における経験が、彼女達をメンバーとしても成長させてくれましたし、BABYMETAL自体も成長させてくれました。毎日が新たな経験で、彼女達は自分たちのスキルを毎日伸ばしていたんです。Road Of Resistance[Metal Resistance収録]の中の歌詞に「今日が明日を作るんだ」というフレーズがあります。自分もその事を本当に信じていますし、それがBABYMETALを言い表していると思うんです。」
 その変化はSU-METALも彼女自身の中に感じ取っており、METAL GALAXYのコンセプトによって、彼女が彼女のクリエイティビティを前進させる事が出来たのだ。
 「今までにやった事のない事に、挑戦する事ができました。」彼女が語る。「自分のボーカルのレンジを広げてみたかったんです。だからレコーディングにたくさんの時間をかけて、たくさん努力をしました。私達は、その聴こえ方に、完璧に満足できるようにしたかったんです。」

 そういった成長は、ここ数年のSU-METALとMOAMETAL、各個人としての変化にも反映される。世間の目に晒されながら成長していく事で、スポットライトの下での生活から離れたくもなりそうなものだが、実際のところ彼女達は、そこから力を得ているようだ。特にSU-METALは、彼女のBABYMETALでのペルソナから力を得ていると感じている。
 「自分の中にいる新しい自分であるSU-METALと出会えた事は、私のキャリアの頂点なんです。」彼女が言う。「もし私がただの普通の人だったら、BABYMETALを通して経験できた事は何も経験できなかったので。」
 彼女が、その言葉が意味するところを、日本での初期のパフォーマンスを例に挙げながら説明する。その時、観客はステージ上の3名の女の子達に対して、笑いを抑えることもなく、不快なメタルと、可愛いJ-popの異常なブレンドに混乱していた。しかしSU-METALは、その事が彼女を鋼のような決意で満たしたのだと述べる。
 「普通はみんな逃げ出したくなりますよね。」彼女が語る。「でも、SU-METALとしてステージに上がると、お客さんが笑っているのを見て、実際やる気が出たんです。これを追求して、もっと受け入れてもらいたいって。SU-METALとしての経験を重ねて、もっと自信がもてましたし、そうやって出来た事がBABYMETALの音楽に深みを与えてくれてるんです。」
 年を重ねた事で、人々から各個人として、そしてヘヴィーミュージックのアンバサダーとして、尊敬される事に彼女達も馴染んできていると感じられる。
 「メタルって、もうちょっと怖いものだっていうイメージがあったんですね。私達はとても若かったので。」MOAMETALが語る。「でも、BABYMETALとしての9年の間に、メタルがどれほど美しくて素晴らしいものなのか、本当に理解できたんです。本当にクールですよね。将来の世代に対して、それを伝えられるロールモデルになりたいんです。」
 「私達は『BABYMETAL』というジャンルを創りたいんです。」SU-METALが加える。「私達の音楽を通じて、日本の音楽文化とメタルの両方に興味を持ってもらえるような橋渡しが出来たらいいなって。」
 もう既にそうなっているのでは?
 「そうだといいなって思います。」彼女が返答する。
 BABYMETALの素晴らしい言葉を広め続ける機会が、近い将来にたくさんある。アメリカ冒険の波が落ち着いた後には、地球を半周し、超巨大なライブを母国で開催し、(MOAMETALが、ずっと以前から一緒にツアーをしたかったと語る)Bring Me The Horizonを、最高位のサポートアクトとして迎える。そして翌2月には、また飛行機へと戻り、ヨーロッパへ向かい、大陸をまわる初のヘッドライナーツアーへと出港する。MOAMETALは、特に「メタル生誕の地」スカンジナビアを訪問できる事に、エキサイトしていると述べた。ロシアも同様だが、寒さを心配しているという。
 そのような話を聞くと、そのキャリアの早い時期に、2人が達成してきている実績に焦点がピッタリと合ってくる。BABYMETALの熱の中にいるのは、ほとんどのミュージシャン達が、一生かかっても近づく事もできないようなステージでパフォーマンスしてきた2名の若いシンガー達だ。一歩引いて見て、彼女達の周囲の状況に感謝する事もあるのだろうか?
 「BABYMETALで私が経験できた事を、経験できる人は多くはありませんよね。」SU-METALが答える。「新しい音楽や新しい音を聴く事が出来ていて、多くの人が行けない国に行けていて。世界中を旅できていて、たくさんの人に会わせてもらえてます。こういった経験全てが現実じゃないみたいです。」
 METAL GALAXYが、BABYMETALを成層圏へと飛び立たせる事が運命づけていると見受けられる。今後何もかもがクレイジーになる一方で間違いない。


訳者後期:
日本の媒体に対してとは比較になりませんが、今までの海外媒体の取材の中で、最も内情や個々の気持ちを語った内容ではないでしょうか。
海外記事は質問の事前チェックの件や、アイドルという存在について記事内で割かれる割合も多いのですが、KERRANG!の今回の記事は、一切そういった記述がなく、バンドに対するリスペクトに満ちているように感じられました。バンド名、メンバー名が全て大文字になっていたりする点にも表れているように思います。
一方、以前は「子供だから」、今は「言葉の壁があるから」という建前の前提がありますが、質問を事前提出させるのは異常な事ですので、その事についてや、その背景にある日本の芸能・アイドル事情に記事が割かれるのも、真っ当な反応だとは思います。

日本の媒体でインタビューを担当されている方は、長年かけて取材されているライターさんが殆どですし、そこに信頼性が担保されています。
そして、日本の媒体には良くも悪くも取材原稿の事前チェックという慣例があります。取材後であっても、この内容は載せないで欲しい、この言い方はニュアンスが違う、など取材対象者や関係者が、編集の指針を提案、または強制できます。特に取材初回の媒体には、絶対条件として提示される事がほとんどです。
口を滑らせた事も削除できたり、編集者による勝手な発言の解釈を阻止できたりする安全マージンがある事、そして前者の信頼関係がある事で、日本の媒体に対しては様々な事を語れているのでしょう。しかし欧米で同じ条件を求めれば、おそらく取材を媒体側から拒否してきます。

ですが、今回のKerrang!のような敬意と理解のある記事が出てくるのならば、そういった媒体に対しては、海外でもより開けたBABYMETALの姿が伝搬していくのでは、と期待しています。

8 件のコメント:

  1. 長文の記事、翻訳感謝です。内容が素晴らしく読み応えが有りました!!

    YUIMETALの件の話は、どうしても気が重く成ってしまうのですね。

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  2. 翻訳、ありがとうございます。良い記事ですね。日本の雑誌を読むと、Moaのほうが受け答えが上手いと思うのですが、KERRANG!を読むと、Suの回答が神秘的で深く感じられます。Suの進歩が感じられます。

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  3. いつも素晴らしい翻訳、ありがとうございます。普段読めない、心中に迫った内容で、泣けました。素晴らしいインタビューですぬ。ホンヤクメタルさん、ありがとうございます。感謝しています。

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  4. 大ボリュームの翻訳お疲れ様です。なるほど、海外インタビューでは原稿チェック直しが難しいわけですか、参考になります。Suさんの成長を特に感じますね。
    YUIさんの件はどのインタビューでも体調に一切触れておらず、間違いなく事前NGが出ています
    そこら辺にSuさんの気が重い反応の要因がありそう

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  5. 素晴らしい記事でした。長文の翻訳ありがとうございました。

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  6. ホンヤクさんのコメントがRedditで英訳されて紹介されてましたよ。
    https://www.reddit.com/r/BABYMETAL/comments/dhr86e/japanese_translation_of_kerrang_article_with/

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  7. いつも楽しく読ませていただいておりまSu-。

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  8. HONYAKU-METALさん、ずーっと待っておりました。
    自分で訳すのはすっごく時間がかかるし、誤訳も多い……。
    的確な翻訳に感謝いたします。

    おかえりなさい!
    そして、ありがとうございます。

    ともるー

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