一過性の流行は過ぎ、BABYMETALがWembleyで本気を示す
ALI SHULTER著ビデオスクリーンがWembley ArenaをメタルレジスタンスEpisode 4: Reincarnation(訳注: 転生)へと迎え、「BABYMETAL DEATH」の葬送行進曲が鳴り響く。巨大な聖堂の前に立つ4ピースのKami Bandがチャグるブレイクダウンへと突入する。我々がライブに入ってまだ5分と経っていないが、既に完全に夢中だ。そしてSU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALがアリーナのセンターから昇り出てKitsuneを掲げ、会場全体が同じくそれを返す。現象は本物だ。
彼女達の成長と可能性を共に示すアルバム「メタルレジスタンス」のリリースを祝し、彼女達にとって過去最大のヨーロッパでのヘッドラインライブを皮切りにBABYMETALはワールドツアーを開始する。
「Iine!」の陽気な追いかけっことコール&レスポンスから、「YAVA!」のEurotrance*1なバウンス、そして「Meta Taro」でのパレードアンセムとBABYMETALはこの90分間のライブで多くの領域を扱うが、決して行き過ぎと感じられたり、不快に感じる事はない。
「Ijime, Dame, Zettai」のイジメ反対メッセージがWall of Deathの要請と共に届けられ、「Awadama Fever」はミント味のタイムマシンについて語り、「4noUta」はYUIMETALとMOAMETAL両人が「デスベイダーによって暗黒面に引きずり込まれる」というスターウォーズ風のバックストーリーが、4の力(May the 4th be with you*2と言いたいだけの為の理由付けと見受けられるが、ダジャレが嫌いな人なんていない)について歌う前に流れる。チョコレートや目覚まし時計についての歌より大きな調和という壮大なメッセージが今夜届けられる。
日本では1万人の人々がストリートパーティーを楽しみ、ライブを見ており、「The One」の最中、世界中からの旗を誇り高く掲げている。BABYMETALはバンド以上のムーブメントへと急速になってきている。
それをもって彼女達のエキサイティングさが失われているというのではない。活動過多でけばけばしく、絶え間なく楽しい。BABYMETALはアリーナ級スペクタクルを完全に物にしているが彼女達はそれに頼る事は決してない。そこには花火があり、衣装替えがあり、ビデオインターリュードもあるが、音楽とショウマンシップこそが輝き通すのだ。「Amore」ではSU-METALが一人で会場を掌握し、「GJ!」ではその夜の注目にもYUIMETALとMOAMETALが平然としている。共になり彼女達の化学反応が輝く。それは人工的に作り上げる事ができるものではない。その夜が磨き上げられていたにも関わらず、それでも彼女達のパーソナリティーが前面に出ているのだ。笑顔の人の繋がりが彼女達の大成功へと続く。
「未開の道こそが過去に打ち勝つ行路なのだ」と「Roads of Resistance」のイントロダクションが語る。会場の真ん中に立つバンドが再び苦もなく会場を導く中、彼女達の然るべき位置を明確にする。Wembleyはこのようなものを長く、本当に長い間見る事がなかった。過去は過ぎた。BABYMETALは新しい希望と成り得るだろう。
訳者注釈
*1 Eurotrance
2000年初頭までに特に流行したトランスのサブジャンルの一つ。サイケデリック寄りだったトランスに比べて、よりメロディアスでクリアな上物が特徴。
「ヤバッ!」にEurotrance的な要素はシンセが乗っているという共通項以外特に見出せない。
*2 May the 4th be with you
スターウォーズの台詞「フォースと共にあれ」のフォースと4th(4番目)をかけている。
ソース: UPSET MAGAZINE
いつもありがとうー
返信削除大絶賛ですね。海外メディアの扱いが変わってきたのを感じます
返信削除それは2年前のバッシングからのドラマチックな変化ですね
お晩DEATH
返信削除バンド以上のムーブメントに・・・って
そういうことかぁ
大袈裟なくらいの大絶賛ではないですか!
返信削除なんか、俺が褒められてるみたぁい(^^)
新しい希望とは大袈裟な、と思ったら、これもスターウォーズですね。
返信削除いつも名翻訳ありがとうございます。
返信削除ホンヤクメタルさん、いつも名訳ありがとうございます。
返信削除>Wembleyはこのようなものを長く、本当に長い間見る事がなかった。
こんな絶賛の言葉は聞いたことがありません。
そしてなによりも3人のパーソナリティーに裏付けられたBABYMETALであることを宣言してくれている記者さん、エンターテインメントの本質を捉えていると思います。
YUIMOAの全人格個性による調和の力がいよいよ認識され顕現されて来たようですね。
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