【REVOLVER】特集記事「BABYMETALの止まらぬ隆盛」

BABYMETALの止まらぬ隆盛

トリオとしてインターネットで人気を急上昇させたKawaii Metalリーダー達。現在、デュオとして銀河制覇に乗り出す。

LUKE WINKIE著

纏うのは光り輝くクリスタル、揺らめく黒いケープ、ビクトリア風修道服。Su-metalとMoametalが、じっと動かずにいる。燃えるようなスタジオ照明の下、胸部の横で優美なKitsuneハンドサインを掲げる。その爪は光る黒に塗られ、唇はナチュラルなまま真っ直ぐに。それは湿気のあるブルックリンの朝。夏の熱が、そよ風の吹く秋へと変わりゆく中。Babymetalの２人の女性はニューヨークTerminal5での壮大なライブを昨晩終えたばかりだ。私も彼女達が踊りながら、背後にある巨大なスクリーンから、炎や地獄の業火を召喚する様を見ていた。ツーバスドラムと悪魔城ドラキュラ的速弾きを、彼女達が歌うヘリウム声が貫くのを聴いた。そして今、Revolverの撮影にて、その荘厳さと環境の裏にいる女性達についに会えた。Su-metalとMoametalはメタルの未来の魂かもしれず、また一方では２人は日本のアイドルマシーンの中に存在する２０代の若い女性として、厳戒態勢のヘヴィーミュージック王国に潜入し、時にKawaii作り笑いを浮かべる。

[中段を大幅に割愛させていただきます。BABYMETALが、あくまでも日本のアイドルである事と、筆者から見た日本のアイドル業界の異常性(一部のアイドルが結ぶ恋愛禁止契約等)などが語られています。そしてインタビューの質問が事前チェックされ、返答は紙を見て読み上げる事、藤岡幹大さんに関する質問は拒否された事、鞘師里保さんについて等の質問は遮られた事などが述べられています。Metal Galaxyの紹介もあります。ここまでは、インタビュー内容も既出の内容です。]

しかし私達のインタビューの終わりにおいて、そのヴェールの裏側をのぞきみる瞬間があった。その計略が消える僅かな時間に、私は最も正直な反応に近いと感じられるものに当たったのだ。デュオに対してビデオと衣装について尋ねた。どちらもMetal Galaxyに合わせた宇宙時代をテーマにしたものだ。どのようにしてアイディアは生まれたのか？Babymetalを星々へと連れていくため？

「(私達が)今回は衣装にもアイディアを提供しています。」通訳を通して彼女達が答える。「どのような障害も超えられるという事を反映しています。どんな事だって乗り越えられるって事を反映しているんです。私達は新しいことを本当に楽しんでいるので。」

私はその最初の一文にしがみついた。
非常に小さな事であっても、このグループのフロントを務める２人の若い女性が、広大なるBabymetal世界の一部に彼女達自身が関わっている事の証明なのだ。だから最後にもう一度だけ、台本から離れた質問をした。Babymetalにクリエイティブなコントロールに関われる事は楽しいですか？

通訳が私の質問を、日本語で繰り返す。Moametalが、わずかに聞こえる小さな声で何かを言うと、部屋にいる全員が爆笑した。「英語で言っていいよ」と、通訳が言う。

「I'm so happy」大きな笑顔を浮かべた彼女が言った。

Babymetalをハッピーでヘルシーにするには、コントロールを多少は譲り渡すべきだと感じられる。もしそれがなされるならば、このグループが消えてしまう理由はどこにも見当たらない。Babymetal軍団は、巨大で強硬だ。軍団が「Gimme Chocolate!!」だけの一発屋とならないように、確実なものとした。今、宙に浮いているのは、その遺産に対する権威を、中心に位置する２人の女性がどれだけ獲得できるのか、という事だ。

一過性の流行物だと見られていたデュオに対し、Babymetalがいかに成功を継続させてきたのか、について尋ねた。Su-metalが簡潔ながらも響く返答をする。「私達みたいな存在は、他にいないからだと思います。」

ソース：https://www.revolvermag.com/music/unstoppable-rise-babymetal