Mark Holmes著
8 / 10
J-Popとメタルの要素を融合した自称Kawaii Metalというサブジャンルの覇者BABYMETAL。今年の夏に至るまで、私はBABYMETALに関わる事を、うまく避けてこれていた。世界中で人気は急騰していたが、私はBABYMETALを一過性の流行りのバンドだとはねつけていた。ギミッキーな、甚だしく金を産む機械として商業的に設計された人工生成物。この夏に何が変わったのか?グラストンベリーだ。というか、BBCのTV放送で、全くジャンルの異なる様々なアクトに手をつけてみる、という決断によってだ。Sharon Van EttenとHot Chipは非常に良好なサプライズだった事は確かだ。そして、そこにBABYMETALもいた。スケジュールを見てみると、KawaiiクルーはOther Stageにて土曜午後早くにパフォーマンスするようだ。BABYMETALがグラストンベリーに!?しかもJohn Peel Stageってわけではなく?思うに、私の好奇心はバンド自体というより、神聖なるWorthy Farmに集まりし大衆がどのように反応するかに傾いていた。その後者である観客は、セット前半には多様なリアクションを見せており、小さいながらも熱の入ったサークルピットから、目にしているものに対し戸惑い混乱した様子の客まで様々だった。しかしながら、そのセットの終わりにはBABYMETALは観客全体を勝ち取っていた。戸惑いを見せていた人々も拍手をし、拳を空に振り上げていた。なるほどな。この過去数年間を私は見逃していたのだ。そのグラストンベリーのライブセットによれば、BABYMETALとは、エンターテイメントを提供するものだった。馬鹿げたほどに楽しませる、もしくは、楽しい馬鹿馬鹿しさ?間違いない。その両方だ。
だから彼女達のニューアルバム「Metal Galaxy」のアルバムがレビュー用に到着した時、その最新アルバムを聴く事は不可避であった。そのメタル要素はハードかつヘヴィーで、エクストリームメタルのダイナミクスも間違いなくある。所々は驚く程にヘヴィーであると言う他はない。名手が精密に演奏した複雑なリフとリードがあり、一方ではJ-Popと同様の商業的に「安全」な要素が保管する。そしてJ-PopそのものであるSu-Metal(Suzuka Nakamoto)とMoa-Metal(Moa Kikuchi)が、カワイ子感、砂糖でコーティングされたメロディとフックを打ち寄せさせ、私を笑顔にさせるのだ。これを好きになっちゃいけないんだ・・畜生・・・でも・・・ああ・・・このアルバムは俺をたくさん笑顔にさせてくれるんだ。その混じりけのないエンターテイメントとしての価値を通してなのか?あらゆるバカバカしさによってなのか?関わった全員の明白なスキルの高さに対してなのか?おそらくはそれら全てが合わさったものだと言える。アルバム全体を通して退屈な瞬間など一切なく、とんでもなく多量の情熱とエネルギーが炸裂しているアルバムなのだ。
臨床的なほどにクリーンなプロダクションは、多少無味乾燥にも感じられるが、そういった音像が、音響的に最も効果的(かつ間違いなく情感的)だと、楽曲の為に判断されたものと想像できる。時にメタルが突出し、それ以外の時にJ-Popが前線へと出る。しかし殆どの場合、それは対置ではなく融合している。それら全く異なる要素は、想定上は全くもって両立しないものなのだが、その混合物は巧みに作り上げられているのだ。そしてその混合物の中には驚く程の多様さが包有されている。独特のムードを醸し出すイントロに続く「In the Name of」でのトライバルなリズムとグルーヴは「Roots」時代のSepulturaを思い起こさせる。ラッパーF Heroをゲストに迎えた「PA PA YA!!」はスタイル体系としては、90年代後半〜0年代初期のNu-MetalとSkindredによるRagga Metalの中間に位置させ得る。SabatonのJoakim Brodenをうめき声をあげるボーカリストとしてフィーチャーした「Oh! MAJINAI」はRusskajaのアルバムに入っていてもおかしくない。そして最後のトラック「Arkadia」は80年代後半のパワー・メタルの人目を引く趣があり、Kai Hansen的Helloweenギターが添えられている。他にもゲストとしてArch EnemyのAlissa White-Gluzを「Distortion」でフィーチャリングしているが、正直にいって、それは一瞬で終わり、ありきたりで、これといって言える事もない。
これからもBABYMETALが対立を呼ぶバンドであり続ける事は間違いなく、私も過去においては、「一体なんなんだよ これは?こんな事やって何の意味があるってんだよ?」側に断固として立っていた。しかし、今はその意味を理解している。エンターテイメントだ。そして、ありきたりではない何かなのだ。未だに私はこれを100%真剣に捉えることはできない。だが「Metal Galaxy」を再生しはじめてから最後に至るまで、素晴らしく楽しいリスニング体験を提供してくれる事は否定のしようがない。
ソース:http://www.metal-discovery.com/CD2/cd_review_babymetal_metalgalaxy.htm
Ma-Metalさん情報提供ありがとうございました
アルバム楽しみでたまらん!
返信削除この人は取材でいいからライブ参加すれば落ちるね。
返信削除自分はメタル好きだけどこういう食わず嫌いの人多いんだろうな勿体無いって思う。
アンチからメイトになる典型的パターンの奴やなwタオル回してライブ行くぜこの人w
返信削除最近は手放しで賞賛する記事が多い中、久し振りにこういう葛藤系からの賞賛記事見ましたね、これこそがベビメタの真骨頂。
返信削除いつも丁寧な翻訳ありがとうございます。
ややアンチだった側からのフェアな批評。読み応えありました、ありがとうございます!
返信削除なんかデジャヴュ感があるなと思ったら数年遅れてこの結論に達したとはいえ
返信削除キム・ケリーが数年前にこの現状に抵抗できなくなって出した結論と同地平に
今やっと達したということだね。ある意味いい落とし所が見つかったということか。
バンド色が薄くなり、ライブではコアなファンが周りを仕切る。曲もメロが一つ減って聴きどころが薄まった。メイト辞めました。
返信削除記事にもブログにも関係ない話するなら自分の日記帳にでも書いたら?
削除メイトやめるのは勝手にすればいいけど今後の人生では気をつけてね