正真正銘のキャッチーなポップメタル
★★★★★★★★☆☆Max Bowden著
君が考えられる限り最悪の物とは何だろうか?何度も繰り返し永遠に非難され続けられなければならない程に卑劣なものとは?その答えとは、オンライン上のメタルコミュニティにいる恐ろしい程の数の人々によれば、BABYMETALなのだ。
日本人の10代がフロントをつとめる自称「Kawaii-Metal」バンドであり、彼女達の事やメタルというジャンルを真剣に捉えすぎている人々にとって重大な問題となっている。セルフタイトル・デビュー・アルバムと2014年の国際的ブレイクスルーは、楽しく、ユニークで、ほぼ純粋にキャッチーで、その上素晴らしいミュージシャンシップまでが備わっていた。前作Metal Resistanceから3年半というギャップを経た今、Metal Galaxyによって「論争を呼ぶ」という装いを再びまとってきたようだ。
リードボーカリストのSu-metalによると、Metal Galaxy全体のアイディアは「Metal Resistance以降にバンドがツアーで回ってきた様々な国の音楽を組み込む」事であり、それは新作にとっての完璧な触発される理由であり、グループの健全なイメージにもフィットするものだ。今となっては音楽が私を立ち止まらせ「一体全体何がおこってんだよ」と大いに自問させる事は稀だ。しかしだ。たまらないほどにアンセム的な、ボリウッドにインスパイアされたメタルを日本語のボーカルで聴く事。それもまた稀だよな?
Metal Galaxyには、そういった楽しい困惑を与えられる瞬間が豊富にあり、前述した「Shanti Shanti Shanti」から陽気なスカンジナビア・フォークメタルにインスパイアされた「Oh! MAJINAI」(フィーチャリングされるのは他でもないSabatonのJoakim Broden。もちろんだ。)、そしてギンギラに光る「強烈なFuture Bass*1+ディストーションギター」な「Brand New Day」。
このアルバムは、もっとシリアスな瞬間によって接合されてもいる。コーラルのパッセージのレイヤーと「Protest The Hero*2」風のプログレメタルリフのコンビネーションからなる「Starlight」や、こちらも壮大な舞い上がるコーラスと美しいシンフォニックなメロディからなる「Shine」や「Arkadia」、「Night Night Burn!」や「Distortion」のリフは実にヘヴィーで、バッキングを担当するKami Bandによるミュージシャンシップは、いつも通り、全体を通して著しくハイレベルだ。
バイラルデビューから5年。BABYMETALは未だに純粋な楽しさと正真正銘のキャッチーなポップメタルを素晴らしくミックスしている。そのコンビネーションは間違いなく新たな観客を、より広いヘヴィーメタルの分野へと誘うゲートウェイドラッグになっている。ああ。それは究極にうまくプロデュースされ精錬されているし、時には甘さがキツく、時に甲高いキンキン声もあり、陳腐になる時もあるし、非攻撃的なテーマは全員の口に合うものではないかもしれない。だが今年に発売された殆どのメタルとは異なり、Metal Galaxyを聴く57分間の間中、私は喜びに満ちた笑顔を浮かべながら踊り狂っていたよ。
ソース:https://www.gigwise.com/reviews/3361851/album-review-babymetal-metal-galaxy
※1 Future Bass
EDMのサブジャンルの1つ。ジャンルとしての定義は曖昧。キャッチーな上モノとファットなパッドシンセが使用されている事が多く、ビートやウワモノの合間の間をいかしたものが多い。以下の参考曲を聴いてもらえれば雰囲気はつかめると思います。
※2 Protest The Hero
マスコアやジェント等の要素も包有したカナダのプログレッシブ・メタルバンド。
楽曲、活動時期によって曲の様相が大きく異なっている。
Ma-Metalさん情報提供ありがとうございました
PROTEST THE HERO は大好きで、
返信削除1枚目から4枚目までとライヴ・アルバムを所有していますが、
個人的に "Starlight" から PROTEST THE HERO の要素を感じた事は無いなぁ・・・。
閑話休題。
今のところ自分は来たるべき3枚目のアルバムに余り大きな期待をしていないのですが、
さてさてどうなりますかねぇ。
メタルに含まれる様々なサブ・ジャンルの中でまだ手を出していない、
ザックザクのクランチ・リフ炸裂のスラッシュ楽曲はどうやら無いのが確定しましたが。