2019年10月9日水曜日

【NME】Metal Galaxyアルバム・レビュー



BABYMETAL - Metal Galaxy
レビュー:23世紀のパワーポップアンセム

Andrew Trendell著

スコア ★★★☆☆

J-popメタルのセンセーションによるサード・アルバムで、彼女達は高尚さ、滑稽さへ、そして滑稽さからまた高尚さへと戻る航海を続け、過去以上の分裂性を示している。


J-pop-メタル-ハードロックセンセーションであるBABYMETALは、甘いフックとスピードメタルやレイヴのリズムを結びつけ、ロックコミュニティ内で分裂性を示してきた。純粋な快楽主義に基づいたサウンド、そして高度に振付が施され、パイロが炸裂するシアトリカルなライブ・ショー。それらによって、Wembley Arenaを完売し、Metallica、Red Hot Chili Peppers、Bring Me The Horizonといったバンドをファンとして獲得し、それら全てのバンドがツアーにBABYMETALを招聘した。

その分裂性が彼女達のサード・アルバム「Metal Galaxy」を突き動かしている。「Future Metal」でロボットのような声が「We're on an odyssey to the Metal Galaxy」と知らせ、その後に続くSF旅行へと備えさせる。「Da Da Dance」はスラッシュとEuro-popをブレンドし、日本人ギターレジェンドTak Matsumotoによるヤバいソロが響く。そして私達は出発するのだ。

フック満載のスピードボール「Elevator Girl」に続き、「Shanti Shanti Shanti」がウキウキとさせるBollywood変化球をミックスに加え、呑気なスカンジ・フォークメタル「Oh! MAJINA」[訳注:原文ママ]で、SabatonのJoakim Brodenを乗務員に加える。このアルバムが滑稽な方向へと舵が完全に切られていると思った途端、高尚さへと近づく。EDMとR&Bを屈曲させたチャートにも乗りやすい「Brand New Day」だ。
「Night Night Burn」の殴打の中にあるフラメンコのブレイク、不吉なしわがれ声が鳴り響く「In The Name Of」、デビルホーン掲げるスラッシュアンセム的「Distortion」。「Metal Galaxy」は荒れた行程を進むが、その混じりけのないエナジーにより、どういうわけか誰にとっても非常に敷居が低いものになっている。
「Pa Pa Ya!!」には後期Bring Me The HorizonのようなNu Rave meets Nu Metal感があるが、その常識はずれ感はBMTHとは比較にならないレベルだ。「Kagerou」のリフはMuseのジャムのようだが、目がくらむようなネオンの眩さをともなっている。クローザーである「Starlight」、「Shine」、そして「Arkadia」は、拳を握りしめるパワーポップアンセムを23世紀用にアップデートしたかのようだ。
嘲笑したいならすればいい — もしくは、このアルバムに横たわる、恥も外聞もないほどに予測がつかず、目眩がするような愉快さをただ楽しむのだ。

ソース:https://www.nme.com/reviews/album/babymetal-metal-galaxy-review

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