2019年10月8日火曜日

【METAL WANI】METAL GALAXYアルバム・レビュー


レーティング
作曲&歌詞 — 9.0
サウンド総合 — 10
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トータルスコア
9.5

要点
概して、BABYMETALによる「Metal Galaxy」は、隙がなく、多岐に渡る内容の壮大なアルバムだ!
この傑出した星のようなアルバムを見逃す理由など、どこにもない。Babymetalは何を組み合わせれば機能するのかを知り尽くしており、それを自身の手で機能させているのだ。

記事
数年前、日本のヘヴィーメタルアクトであるBabymetalがインターネットに嵐を巻き起こした。当初から、このバンドは幅広い客層に感銘を与えてきている。その素晴らしい音楽的方向性を持ち合わせ、そのバンドのライブショーにおけるパフォーマンスをライブを重ねる度に、ハードルを更に上げ続けてきていた。数年をかけて、バンドはそのサウンドを多様化させてきた。メタルを数々の可能性とシナリオへ持ち込みながらも、過去以上にメタルサウンドを保ち続けきている。彼女達による最新の提案「Metal Galaxy」でも、Babymetalは継続してメタルを異なる音楽的多様性へと推し進めている。
「Metal Galaxy」は、メタルを方向展開させるサウンドとアイディアに満ちたパレットだ。その結果出来上がったは?とんでもない傑作アルバムだ!その名に違わず、このアルバムは音とバリエーションの銀河だ。このアルバムをレビューする事は明らかに手に余る。このアルバムは、興奮を呼ぶ14もの曲と戯れており、多数のゲストも迎えているからだ!まあ、しょうがない。プログレ基準で考えれば、何事も充分ではないのだから。文量が増えても責めたりするなよ。ワイルドなアルバムに飛び込もうじゃないか!

アルバムは「Future Metal」で幕を開ける。この曲は純粋にオープニングトラックとして作曲されたもので、それ以外の何物でないように聴こえる。この曲がムードを作り上げ、後のアルバムへの興奮を高めさせる。タイトかつヘヴィーなサウンドは、常にこのバンドの特色なのだから、この曲を据えて幕を開ける事にも何の問題もないだろう?続くのはTak Matsumotoをフィーチャリングする「DA DA DANCE」。壮大なボスが登場するステージの曲のようで、シンセとかすかなグリッチ編集が聴こえてくる。本当に速く、本当にキャッチー!この曲がライブの場でどのようになるのか想像がつかない。そして「Elevator Girl」が1曲目の狂気的空気から一歩引かせる。この2曲で明らかになっている事は、このアルバムがギターとベースにおける最も上質なメタル・トーンを揃えているという事だ。ヘヴィーで、ゲートがかっていて、タイト!

「Shanti Shanti」は、メタルがメタル以外の音楽の要素と絡むべきだ、という事を示す素晴らしい例だ。ステロタイプ的でもあるが楽しめる。この曲は非常にボリウッド風で、パーカッシブな編曲とストリングスやシタールの編曲が組み合わさり、素晴らしいボーカルラインとフックによって、非常にトリッピーかつ楽しめる曲になっている!「Oh! Majinai」はJoakim Brodenをフィーチャリングしている。この曲はパイレーツ・メタルの素晴らしき解釈で、エナジーが溢れている。そして、そのエナジーはアルバム全体にある!「Brand New Day」のゲストが誰かを知らなかったとしても、その透明感あるサウンドと曲のアレンジから、Tim HensonとScott LePageをフィーチャリングしている事を想像する事は超簡単だ。曲の雰囲気も想像がつくだろう(笑)!「Night Night Burn」で従来のBabymetalサウンドへと近づく。ちょっとしたフラメンコ風のアコースティックギターによるフックが、曲にスムースな感触を与えている。

「In the Name of」は誘うようなコーラスで始まり、曲がビルドアップされていき、ヘヴィーな荘厳へと至る。この曲のグルーヴも間違いなく燃える!「Distortion」ではAlissa White-Gluzをフィーチャリング。この曲もまた従来のバンドに近いもので、既に慣れ親しんでいるサウンドだ。ここまで、このアルバムに退屈な瞬間などない!「Pa Pa Ya!!」はF.Heroをフィーチャリング。この曲は前曲と同様のフィーリングとサウンドを引き続き聴かせる。この時点でわかるのは、Babymetal自身のサウンドを、ただ多様にしているだけではなく、旧来のBabymetal流のサウンドを再訪し、新たな寿命を与えた上で提供しているという事だ。「Kagerou」は少しNu-Metalがかったサウンド!この展開は予想しないものだったが、驚いてもいない!素晴らしい展開が続いている!「Starlight」と「Shine」はシンセによるアンビエンスを多少強調したものだ。この曲は他の曲と比べると、ややメローで穏やか。とはいえ、この曲がヘヴィーでないというわけではない。実際、ヘヴィーなのだから!アルバムはついに「Arkadia」で幕を閉じる — アルバムにおける最も壮大な曲だ。この曲はBabymetalの全てを一点集中させたものだ!ヘヴィーなサウンド、速いリフとドラム、そして湧き上がるシンセによって、この曲をバンド史上最も壮大な曲としている。ブラスト・キックが然るべき時に登場し活力を加える!曲が進行すると共に、混じりけのない威厳が表面化してくる!この最高でアメージングなアルバムにとって、なんて最適な終わりだろう!Babymetalに脱帽!

Babymetalが再び途方もない事をやってのけた!彼女達は最新作「Metal Galaxy」で、またしても彼女達が誰にも止められない力そのものである事を証明したのだ!「Metal Galaxy」は、メタルが持つ多量の可能性を1枚のアルバムで探索しながらも、全ての曲を一貫して楽しめるものとしている!モダンな味わいあるメタルの音色とプロダクション・バリューを、誰かに紹介する上でも使えるアルバムだ。プロダクションはバンド自身のサウンドと美しくマッチしており、全てが正しく執り行われている。音楽自体以外の部分で、このアルバムを革新的としているのは、メタルバンドによるSpotify流サウンドへの進出と見受けられる点だ。平均して3から4分の短い曲、キャッチーなリズムセクション、曲全体を聴きたくさせるイントロといったサウンドだ。概して、BABYMETALによる「Metal Galaxy」は隙のない多岐に渡る壮大なアルバムだ!この傑出した星のようなアルバムを見逃す理由など、どこにもない。Babymetalは何を組み合わせれば機能するのかを知り尽くしており、それを自身の手で機能させているのだ!

ソース:https://metalwani.com/2019/10/review-babymetal-metal-galaxy.html

Ma-Metalさん情報提供ありがとうございました

3 件のコメント:

  1. 翻訳有り難うございます

    絶賛を絵にかいたようなレビューですが読んでいて楽しくなりました

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  2. 確かに音の作り込みも半端じゃない。全精力を注ぎ込んだって感じがひしひしと伝わってくるアルバムになっている。

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  3. 90年代中期にはある意味完成したであろう日本独自の作曲方法、
    アレンジ方法などの音楽理論に基づいたテンプレートから
    90年代後期以降はどうやって逸脱していって新たな楽曲を作って
    いくかを模索してきた感がありましたが、このアルバムでは逆に
    「それこそがJPOPの強み」であると主張したいかのように積極的に
    それらの方法を海外に伝播していこう、というような内容になっていますね
    ある意味賛否両論があるのは当然と納得しましたね

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