2019年9月26日木曜日

【DALLAS Observer】Dallas/South Side Ballroomライブレビュー


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Babymetalを誰が嫌いになれるっていうんだ?/Mike Brooks

J-PopメタルバンドBabymetalに怒り心頭なのは気難しいクソ老害だけだ

Mike Brooks著

いまだにYoutubeにアクセスできない人に向けて説明しよう。Babymetalは日本から来たアクトで、ヘヴィーメタルという基礎を10代のJ-popガールバンドで覆ったものだ。人生における全てのものに裏の顔があるならば、これもまた相違するものが一体となった何かである。そのグループとパフォーマンスのどちらもが、人工的に作り上げられ、振付が施され、リハーサルが重ねられたものだ。特に一部のメタルヘッズにとっては、その事は直ちにバンドにフェイクという烙印を押させる事になる。

5月にRob Zombieがバンドと共に撮った写真をFacebookページに投稿すると、彼のファンは快くは思わず、このようなコメントを残した。「Babymetalはあらゆるメタルにとって恥ずべき屈辱だ。やつらが音楽だと自称するものを聴くと、俺は殺意を覚えてしまう。」

そこにZombieからの返答。「おい。彼女たちはナイスなキッズ達で、ツアーに出てるんだ。お前は気難しいクソ老害っぷりを晒す以外に何をやってるっていうんだ?」

ありがとう、Rob。完璧な描写だ。Babymetalは火曜の夜、South Side Ballroomに登場したのだが、正しく彼女達をレビューするには5000年前に遡り、「陰陽」の力について述べねばならない。「陰」とは主に冷たさ、闇、そして悪と結びつくものだ。「陽」はその反面:暖かさと光だ。
その始まり以降、メタルという音楽は陰に大きく傾いている。その歌詞は我々を暗黒の場へと連れて行く。炎と破壊のシンボルが、その美学を強固なものとする。この音楽的黒ミサへと参加する者達はデビルホーンで互いに敬意を表すのだ。そして気難しいクソ老害共にとって、メタルはドロドロとした奴らの人生のサウンドトラックとなった。

哲学者達は、これを不自然かつ望ましくない状態であると捉える。全ての陰には幾らかの陽が必要なのだ。カール・マルクスのような気難しいクソ老害でさえ、弁証法の原理について説法を説いている。全てのものには反面があり、反面との衝突こそが新たな何かを創り出すのだ。マルクスにおいて、それは政治と経済の革命であった。メタルにおいては・・・Babymetalなのか?

「奴らはひでえもんだ。これは恥ずかしい。Rob、君を愛している。だが恥を知れ。」別のコメンターが述べた。

「彼女達はお前なんかより、もっとハードにロックしてるぜ。」Zombieが返信。

我々は彼女達のメタルらしさが真正か否かについて論争する事も可能だ。そしておそらく、そうする事にもなるだろう。しかし一つ明白なことがある。Babymetalとは最上位のエンターテインメントだ。彼女達による火曜日のショーでは、マスクを装着したプロフェッショナルなセッション・ミュージシャン達が精密に音楽を刻む。過剰に感傷的な表現も、ひけらかすソロも、これみよがしな拍子の転調もない。彼女達の音楽はダンスミュージックとして構築されたメタルなのだ。Su-metalとMoametal(そしてYuimetalの代わりとなるローテーションするメンバー)は、ダンスとポーズを決める止まらぬトライアングルだ。Su-metalのリードボーカルにダンスによるエッジが加えられ、団結を固め、また次なるポケモンダンスへ備える。歌詞の99%は日本語だが、それでも皆が共に合唱をしている。その歌で、我々はお互いに素敵なことを伝え合っていると全員が信じていたが、サタンとの契約を結んでいたとしても分かり得ない。

Babymetalはゲーム、アニメ、そしてコスプレから影響を受け、同時にそれらを通じて宣伝されてもおり、Kawaii(キュート)メタルジャンルの先駆者として、彼女達は未だにキュートさを保ち続けている。パンクロリータ衣装を身にまとっていてもだ。Miley Cyrusのように腰を振ることもなく、そこにあるのは上目遣いとハイピッチの甲高い声だけ。

ステージプロダクションはスパルタ式以上のもの。後ろに並ぶミュージシャン以外には何もないオープンスペース。女の子達が登場する前には入念に床が掃除されていた。観客の興味を保つには、3名の若いレディー達に更なるプレッシャーがかかるセットだ。そして彼女達はフィットネスコーチでさえ羨望するような持久力で、物ともせずにやり遂げる。

その夜のオープニングはスウェーデン人バンドAvatarで、彼らもまたシアトリカルな表現で知られている。彼らもまた実体以上にスタイルを重視している事で批評にさらされていたが、キャリアを積み重ねた今、それだけでも充分と言えるソリッドなサウンドを成立させており、彼らのセットにも負けていない。そのビジュアル面の力は、とりわけカメラマン達を喜ばせていた。

Babymetalはメタルの未来だろうか?おそらく、そうではない。彼女達はただただ甘い。しかし全ての音楽カロリーをスイーツだけで摂取する事はできない。一方でバイキング・ソードを手に、脂ぎった髭ヅラを見せ、狩ったばかりの獣の足にかじりついてばかりいるのも不健全だ。楽に構えろよ。一度くらいは楽しんでみな、気難しいクソ老害共よ。Babymetalにホーンを掲げろ。

火曜日、DallasでBabymetalのオープニングを務めたAvatar/Mike Brooks

わぁ〜〜〜!BabymetalによるJ-pop風味と焼け付くようなメタルのブレンドは信じられないほどにキュート

ソース:https://www.dallasobserver.com/music/is-babymetal-the-future-of-heavy-metal-11764339

Ma-Metalさん情報提供ありがとうございました

4 件のコメント:

  1. 翻訳、おつかれさまです。感謝です。
    これは、某シカゴ・トリビューン紙と違って良記事ですね。写真も素晴らしい。
    Mike Brooks、もはやお前はキツネの一員だ!

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  2. 翻訳感謝します。
    サム・ダンというベビメタに批判的なメタルヘッズの学者がいたけど、彼が今どう感じるか聞いてみたいですな。

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  3. もう何年も前の事ではありますが・・・
    ロブ・ゾンビ兄貴 あんた格好良すぎる
    こういった大人になりたいよね

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  4. いまロブ・ゾンビ聴いてます。
    ヒルビリー2枚は愛聴盤です。

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