2016年4月19日火曜日

【AMPLIFY】メタルレジスタンス レビュー

オーストラリア発のメディア兼PR兼イベンターであるAMPLIFY(Australian Musician Network社)によるレビュー。多国籍のライター、写真家を抱える。

BABYMETAL - メタルレジスタンス (アルバムレビュー)

Martin Michea著

BABYMETAL: 現在、人々の嫌われ者である。もし君にとっての真のメタルを真剣に捉えすぎているなら、このバンドについてSNSにネガティブなコメントを少なくとも一度は投稿しているはずだろう。しかしながら実のところ、この日本人による現象がいかに人工的に作り上げられたものであっても、その音楽はとんでもなく素晴らしい。BABYMETALのバックバンドは完璧な音楽的な卓越した技術をこのアルバムで見せており、ヘイターでさえも興味をそそられずにはいられないだろう。メタルレジスタンスには収録曲の数と同じほど多くのスタイルの音楽がある。セルフタイトルアルバムがアイドルミュージックとメタルのミックスであった一方、この2枚目のアルバムはより洗練されている。もちろん活動的で甘い日本人の十代の女の子というギミックは変わっていないが、前作よりこのアルバムは間違いなく純粋なメタル志向になっている。

このアルバムの音楽的スタイルのブレンドは魅力的だ。それは乱雑なものにも簡単に成り得るものだが、BABYMETALは普通のバンドではない。それを機能させる事ができる素晴らしい作曲家達とプロデューサー達のチームが支えている。KARATEやSis. Angerといった純粋なメタルが爆発する良いミックスもあるが、Meta TaroではEluveitieを装う。ギターポップ*1の実験作Yava!にはスカの気配さえも見える。Gj!でKawaii女の子達がラップをはじめるその時、スタイルのミックスの頂点を迎えたと思ったが、しかしそれは間違いであった。

このアルバムで最も予想のつかないものとは、最高の曲は最後にとっておかれているという事だ。No Rain, No Rainbowはその素晴らしさと同様にサプライズでもある。BABYMETALが壮大なロックバラードをパフォーマンスするのを聴く事になるとは思いも寄らなかった。それはとてつもなくクサいものだが、それもうまくいっている。Tales of the Destiniesはこのアルバムのベストトラックだ。プログレの領域へと思い切って進んでいて、Dream Theaterの素材ほとんどに匹敵するものだ。ここでは3人の女の子達は一歩引き、彼女達の素晴らしいバンドが完全に輝く。The Oneはアメリカ盤のボーナストラックで、女の子達が初めて全て英語で歌っている。想像するに、この曲は他のほとんどの曲と比べて軽い事から、それは商業的に巧みに制作されており、アメリカ市場でのBABYMETALの立場を更に強化する目的がある。

アルバムを聴き始めた時の予想は裏切られた。デビュー盤には良いもの(Gimme Chocolate!!、Megitsune、Akatsuki)もあれば、多くのいまいちなものもあった。対照的にメタルレジスタンスは曲のコレクションではなく、本物のアルバムだと感じられる。曲の多様性を考えると、それは相当な成果である。

メタルレジスタンスは私の2016年のトップ10に入る可能性が高い。真のメタル戦士誰にとっても絶対的な恐怖だろうと想像できるが、BABYMETALは残り続ける。


訳者注釈:
*1 ギターポップ
ジャンル名としてのギターポップは日本特有のもの。
ここではギターを使ったポップ全般を指す言葉として使われている。

ソース: AMPLIFY

15 件のコメント:

  1. 賛否両論あるのはわかるけど嫌われ者ではないよね…
    基本的にベビメタは軽く扱ったり、馬鹿にした論調で語ってもよい対象として捉えてるメディアや業界人多過ぎないか…?
    主旨が賞賛であれば前提として何を言ってもいいのか?嫌われ者とか本物じゃないとか。

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  2. 翻訳ありがとうございます。

    全体としては誉めてるんだけど、この評者まだ上っ面の段階で留まってる状態ですね。
    「活動的で甘い日本人の十代の女の子というギミックは変わっていない」とかね。

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  3. 批評する側も新規が多いんだから仕方が無い。
    良いと言ってくれてるんだから文句はないよ。
    そのうち、本当の事がわかってくるから。

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  4. BABYMETALは、深いんdeath!
    だからこそ
    多国籍のいろんな見解ありきで、
    大きな目で見守るのdeath!

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  5. あ~~今日べビメタが好きだって言ったらオタクだなぁって言われちゃった、まだ日本でも偏見は多いなぁ
    古い物、廃れいく物とmixして誰もやらなかった新しい物を作り出してることがいかに素晴らしいかはわからない人もいるんだなぁ

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    1. 気にするな!楽しんでいこうー!
      メタ♪メタ♪

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  6. 翻訳楽しく読ませていただきました。

    私は、とても面白い批評だと思いました。完全にメタルエリート、ヘイターに向けて書かれたものだと思います。「人々の嫌われ者」という表現は、絶賛記事に辟易してるエリート達への掴みでしょう。彼らにすれば、「やっとまともなこと書くやつが出てきた」と思って読むでしょう。もちろん、筆者は「人々」という表現を使うとき、エリート達の反応を想像してニヤニヤしながら書いていたのではないでしょうか。「人々って誰の事かな?(笑)」
    後は、彼らの自尊心を傷つけないように、とにかくBMの2ndを聴いてみよう。曲は最高、バンドは最高、まあ、女の子たちも英語に挑戦したり頑張ってるよ、という呼びかけ。最後に「新のメタル戦士」とエリート達の気持ちを察するふりをしながら、「BABYMETALは残り続ける。」
    とある意味トドメを刺している。
    なんとか、エリート達を懐柔しようとしている論評と理解しました。

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  7. 日本の評論家よりもずっとまともな批評だと思います。
    多少揶揄しているところもありますがBABYMETALをメタルバンドと認めているように感じます。
    日本の自称評論家はアイドルという前提で話す人がほとんどです。

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  8. もあちゃんのヲタ2016年4月19日 21:49

    す~ヲタですね(^ω^*)~♪

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  9. 素人のファンならまだしもプロの評論家でも神バンドがアルバム制作に関わってると信じてるとは。元神のLEDAだけなんだけど参加してるの。まあ神バンドの実力ならライブでの再現もなんとかできるか。ただTODはむりかも。

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    1. 出来ないことをアルバムにするか?!
      できそうにないことをしてきてるから評価されてる部分があるのに、ヤッパリって思わせることしたらもうベビメタの評価がた落ちするでしょ!
      終わりの始まりになる。おもってたより早くしかも、一番起こりにくいと思ってた、ダメな神バンドの限界をさらす形での

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  10. lave to hate と言っている。憎らしいけど好きだとかいう感じだと思う。こういったタイトルの歌も結構ある。

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    1. こういう複雑な気持ち、わかる。

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    2. lave でなく love

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    3. lave でなく love

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