2014年11月19日水曜日

【海外ブログ】BABYMETAL LONDON 08 November 2014

コメントでリクエスト頂戴した"STRANGE THINGS ARE HAPPENING"というブログによるBrixton Academyライブレポートの翻訳です。
DAVID FLINT著

まず最初にネガティブな事を吐き出しておこう。(中略: 筆者が会場につくまでの行動など)

そこからBrixtonへと直行すると、すぐに何かがおかしいとわかった。午後7時に到着したのだが、午後6時半開場にもかかわらず会場の周りから続く道まで行列が伸びているのだ。軽く飲んだ後7時半に再訪。行列は未だ凄まじい。なぜこんな事になってるんだ?観客を入場させるのにどれだけの時間がかかるんだ?答えは「数時間」。無愛想で不愉快かつ攻撃的な様子の用心棒の集団が全ての観客に空港レベルの検査を実行している。馬鹿げている。- Academyはなぜこのような事が必要だったのか説明する義務があるし、他の会場でこのような事はなかったのだからコントロールフリークな糞みたいな処置だと言わざるをえない。もしこれが法的にや契約上要請されたものだったとしても、入場スタッフによる更に酷い対応の弁明にはならない。ずぶ濡れで身体が冷える中、テロリストのように取り扱われ、ライブが始まる前に皆の気をめいらせていた。

まあ、いい。前向きで上向きな話をしよう。

今年BABYMETALを見るのは今回で二回目。この文をタイプする事になるとは6ヶ月前には決して思いもよらなかった。ひっきりなしに怒り哀しんでいるメタル純粋主義者にとって、バンドの存在自体が彼らの愛する全てへの脅威だ。(そして悪意に満ちた差別主義、女性蔑視、そして児童性愛妄想症をもって彼女達を非難する - なぜなら彼らは女性がフロントに立つバンドは性的な対象としてしか評価できないからだ。BABYMETALがなんら性的な要素を呈していないにしても。)そのBABYMETALのジャガノートは止まるところを知らないようだ。Academyはこの夏に演奏をしたForumの2倍の大きさであり、マーキー(訳注: 劇場入口の題目を掲げられるひさし部分)にはソールドアウトと掲示されていた。これは偽りではないだろう - バルコニーがどのような様子だったかはわからないが、下はもう数人の人も入れられないほどに圧迫されていた。そして前回同様、多種多様な観客から成り立っている。: J-POPファンが熟練メタラーと肩をすりあわせ、エモキッズ、インディータイプ、そして好奇心ありありの傍観者達がいる。そして前回同様、ファンはいつでも自然と燃えあがれるようにエキサイトした状態だ。BABYMETALはすぐさま消えていくギミックだという考えがメタルエリートに染み付いているが、しかしここのファンのすっかり熱狂的な様子を見るに考慮に入れるに値しない。ポップスとの繋がりに(訳注: 熱狂する理由が)あるのかもしれない。 - 間違いなくメタルヘッズには見慣れないレベルの献身的な愛情だ。理由がなんであれ、ここに居る大半の人々にバンドは愛されている。 - そしてそれは未だにイギリスでは音源をリリースしていないバンドへのものなのだ。人々はもの珍しさへの好奇心で前回のライブには参加していたかもしれないが、Forumにいたほぼ全ての人が最後には完全に(訳注: ファンへと)転向していた事を保障できる。そこには僕自身も含まれる。前回のライブの熱烈なレビューと今夜のライブへの参加が証明だ。激怒する「真のメタラー」は決して理解はしないだろうが、それでも構わない。 - 彼らが音楽的価値有とするものに僕もしばしば当惑させられる事もあるのだから。

僕は今回のライブが前回と比べてとりわけ違うものになるとは期待していなかった。 - 驚いた事にバンドは1枚のアルバムから選曲する事になるのだから。音楽的要素はほぼ同一となる。しかしより大きな開場は更に劇場型スペクタクルを表現し得るだろう。Forumでは本質的に飾り気の一切ないライブを見たが、ここには簡易的なステージセットがある。 - ライブの初まりと共に女の子達がせりあがってくる金属製のウォークウェイと階段だ。妙な話だが、Forumでの単純なカーテンドロップでの登場に比べて、少しドラマチックさに欠けていたが、更なる舞台上の動きが可能になっているし、MoaとYuiのその小さな姿も皆から確実に見えるようになっている。またパイロテクニックと更に贅沢な照明ショーが随分と劇的な感覚をこのイベントにもたらしていた。僕の仲間達(Oliver Morris、FAB PressのHarvey Fenton、そしてNucleus FilmsのMarc Morris)は後に音楽的エクストラバガンザ(訳注: 19世紀にイギリスで人気があった娯楽劇の一種。主として神話やおとぎ話やそれに類する現実離れのした物語を,音楽と派手な衣装や装置で見せる)そしてライブアクションアニメと評していた。おそらく彼らの評ははその魅力の一部を明確にしているだろう。BABYMETALの事を造られた存在だと訴える事は、その点を多いに見過ごしている事となる。これは極めて複雑なジャンルの融合と著しくキャッチーなメタルの曲を期せずも特色とした、歌とダンスがフル活用された他に類を見ない劇場型スペクタクルなのだ。

セットリストは殆どの箇所で以前のライブを追うものとなっている。Kami Bandが彼らの持てる力を見せる2箇所のパート、SU、そしてYui&Moaによるソロスポット、クレイジーなダンスルーチン、加えて狐の神にまつわる神話を拡充する地獄のようにマッドな映像のセグメント。最後に至るまで多彩で、アンコール前のイジメ、ダメ、ゼッタイがメインセットにエネルギッシュなフィナーレをもたらし、そしてヘドバンギャー!!がアンコールで続く。そして素晴らしいもてなしが運ばれてくる。 - 長く、率直には理解しがたいメタルレジスタンスPart2の終わりとPart3のはじまりを告げる映像から新曲The Oneが紹介され、このライブで初披露されたのだ。その上どうやらDragonforceのメンバー達とのコラボレーションらしい!殆どのバンドならば誰も聞いたこともない曲でライブを終わらせる事にナーバスになるだろう中、
多くの他の曲でもそうしていたように観客は最後には心から共に歌っていた。

確かに全てが良かったわけではない。音響は雷鳴のようにラウドだったものの幾分こもって聴こえ、ボーカルのミックスバランスが低すぎた。この会場においては珍しい問題ではないと聞かされてはいたが、Forumと比べて音楽的な感銘は低くなる事となった。そして観客は静けさが必要となるシーンでも絶え間なく騒がしく、お祭り的空気が過剰であった。フロントから何人引きずり下ろされたか、何人気絶したかや、酔っぱらいによる嘔吐物の数でロックンロールの価値が決まるという者なら感銘を受けただろう。

しかし音響面はさておき、BABYMETALのライブは素晴らしく、他に類を見ない体験であり、今までに誰もが見た何とも違うものであった。メタルというジャンルは新たなファンを獲得するべきでないと考えていたり、新しいアイディアに取り組むことに怒り狂うメタルファンがいる一方、BABYMETALそして彼女達が先導する全ての「カワイイメタル」ムーブメント(近い内にこの事については書く)は、本当に長くの間停滞していたジャンルに表れた最上の物である。
「これはスペクタクルだわ!」2曲目が終わった頃、僕の側方にいた女性が叫んだ。僕もそれに同意する。僕たちがまたBABYMETALを2015年に見れる事を願っている。

ソース: http://www.strangethingsarehappening.com/babymetal-live-brixton-review.html

12 件のコメント:

  1. 翻訳ありがとう!

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  2. また大絶賛ですね
    少し批判がほしいくらいです
    はまる瞬間を見た思いがしました
    どうやら書き足りないみたいでBABYMETALそして彼女達が先導する全ての「カワイイメタル」ムーブメント(近い内にこの事については書く)ですか
    ぜひその際は翻訳お願いします

    ホンヤクメタルさんには感謝しかありません
    少しでもお礼をしたいのでアフィリエイトか何か始めてください
    微力ながらお力になりたいです

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  3. 素晴らしいです!!

    これからもよろしくお願いします^^

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  4. 本当にありがとうございます!このサイトが末永く続きますよう心から願います。30過ぎのおっさんですが(笑)

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  5. 翻訳ありがたいです

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  6. 音響さんもうちょい頑張れ・・・

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  7. じっくりと読みました。
    素晴らしい記事と翻訳でした。
    ありがとうございました。

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  8. あと外人かぶれするつもりはないけど、やっぱ外国の記事のほうが
    読み応えがありますね。熱がこっちに伝わってくるようで。

    日本の記者にはもうちょっとと頑張って欲しい・・・
    「海外でカワイイが受けて大人気ですよ」ばっかり。

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  9. シンプルながらクールな配色とレイアウト。
    なにより息づかいが伝わる翻訳。
    素晴らしいお仕事に感謝します。

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  10. ガチメタラー・ジャーナリストとして
    素直に認められない心の葛藤が面白い記事。
    ぜひ翻訳を
    http://noisey.vice.com/blog/heavy-metal-fan-vs-babymetal-the-review

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  11. 翻訳に心から感謝します。

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  12. ホンヤクメタルさん、いつもお世話になっております! ベビメタを通し欧米の音楽事情に触れることができ喜んでおります。今後とも宜しくお願いいたします!

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