2019年11月5日火曜日

【BLABBERMOUTH】METAL GALAXYレビュー by Dom Lawson




あのDom Lawson氏によるMetal Galaxyレビューです。
元METAL HAMMERエディターで、BABYMETALを1stアルバム期から評価しつづけており、BABYMETALを初期に正統に評価したメタルサイドのジャーナリストの1人です。
SonisphereでのIjime Dame Zettai映像にも、メロイックサインを掲げて熱狂している姿がおさめられています。

BABYMETAL
"Metal Galaxy"
(earMusic)

01. Future Metal
02. Da Da Dance (feat. Tak Matsumoto)
03. Elevator Girl
04. Shanti Shanti Shanti
05. Oh! Majina! (feat. Joakim Broden)
06. Brand New Day (feat. Tim Henson & Scott LePage)
07. ↑↓←→BBAB
08. Night Night Burn!
09. In The Name Of
10. Distortion (feat. Alissa White-Gluz)
11. Pa Pa Ya!! (feat. F.Hero)
12. BxMxC
13. Kagerou
14. Starlight
15. Shine
16. Arkadia

Dom Lawson著

レーティング:8/10

一部の者にとって、彼女達とは、ヘヴィーミュージック史数十年で、最も喜ばしく、楽しみを感じられる物であった。それ以外の者にとっては、メタルにおける良き物や、真の存在から、馬鹿げた形で注意をそらす卑しい存在だ。そのどちらも正しくない事は言うまでもない。BABYMETALとは、我々の誰しもが感情のエネルギーを過剰に浪費すべき対象ではないのだから。このクレイジーな狐を中心に大それたジャンル交配を気に入るか、そうでないか、それだけだ。数少ない否定派が到達不可能と考えていた3枚目に到達したこの時点で、BABYMETALを気に入った者以外は彼女達のニューアルバムのレビューを読むべきではない。だから、そういうこった。気難し屋はケツまくって出てけ!

というわけで、友達しかいない状況になったわけで、後は良いニュースしか伝える事はない。BABYMETALのアルバムを、SLIPKNOTやKILLSWITCH ENGAGEの新譜と同じように評価する事は、あまり意味をなさない。なぜなら「Metal Galaxy」は、単一のビジョンを持つバンドによる、首尾一貫した提示ではない。これは最新型で、馬鹿馬鹿しいほどに多様な、ウルトラモダン・ポップメタル・ハイブリッドのコレクション。それが、親しみやすくもありながら、理解し難いFox God神話によって、緩く一体となった物なのだ。しかし、それはプレイリスト時代、そして無差別なリスニング習慣の時代に、非常に調和するものでもある。故に、アルバムで最もポップな瞬間が、特定の見込み客へ目配せをしながらも、従来からのグリッチ的エクストリーム・メタルと狂った電子音が唐突に飛び出し、互いに向けて拳を掲げている。その両極の間では、殆どあらゆる事が可能であるように見受けられる。赤毛で、巨大な耳と人工頭脳を備えたポケモンの殺人光線が、リスナーの脳に直撃するかのように聴こえさえすれば、あとは自由なのだ。

今一度言及しておこう。あるファンにとって、あらゆるムードが一体になったキラメキ・コアの祭典であっても、他者にとっては極めて悲惨なポップ文化による悪夢である。しかし、その表現の混じり気のない獰猛性、ラジオフレンドリーなサビの強烈な輝き、日本の外にいる誰も何が起きているのかが理解のできないような、受け入れざるを得ない力を持つ現実性 — ああ、それら全てが重なり合い、「Metal Galaxy」を絶対的な暴動に仕上げているのだ。いわゆる、そこにポジティブさしかない状態ってやつだ。そして、過去2枚のBABYMETALのアルバムと同様、ここで見せられているミュージシャンシップの存在感が、頻繁に衝撃を与えてくれる。セッションミュージシャンの名手の手によるものかもしれないが、これら楽曲の裏にいるミュージシャン達は、キラキラのスタートから暴虐なフィニッシュに至るまで、強烈な攻撃を食らわせ続けている。

狐に好奇心をそそられているメタルヘッズ向けに、幾つかのヤバいエントリーポイントを挙げておこう。SABATONのフロントマンJoakim Brodenが、「Oh! Majinai」で霊媒するのは、斜視で地獄のフォークダンスを踊る含嗽巨人。ARCH ENEMYのAlissa White-Gluzが初期プレビューシングル「Distortion」に炎と怒りを加える。そして、もし「Arkadia」が2019年のベスト・パワー・メタルソングの1つでないとするならば、その理由とは、ヘリウムを摂取した重武装巨大ロボが演奏する「アナと雪の女王」のようにも聴こえるからだろう。もし、それが君好みのものだと感じるならば、君は既に「Metal Galaxy」を爆音でリピート再生してるだろうけれど。ここでの俺の職務は完了だ。

ソース:https://www.blabbermouth.net/cdreviews/metal-galaxy/

ふけいたんlさん情報提供ありがとうございました

6 件のコメント:

  1. 待ってました❗って、思わず唸ってしまった。ドムローソンの批評を、今か今かと待ってたんです。長編の翻訳ありがとうございました。
    一作目から、非常にバランス感覚豊かな批評は、読んでる(見てる)こっちの胸を熱くさせてくれたものですが、今回も変わらずの批評で、思わず嬉しく思いました。
    この方の言葉には、深みがあるんですよね。偏ったところがなく、逆に肩入れするわけでもないけど、アンチへの皮肉には辛辣。
    こうした評論家が沢山居てくれたらと切に願います。
    語彙の解釈には、恐らく悩まれたと思いますが、毎度の翻訳ありがとうございました。
    これからも愛読させて頂きます。
    しかしまぁ、最後のトピックが、おまじないと、ディストーションと、アルカディアですか。
    もう少し、アルバム全体の楽曲を細かく感想してもらいたかったですね❤️

    返信削除
  2. 匿名で失礼します。
    アルバムリリース前後に一斉に出たレビュー群とは一線を画しますね。国際版14曲でなく日本版16曲を対象に評価するのも当然とのスタンスでしょう。
    原文にコメントを寄せておられるご同業?のリンク先のブログ記事も興味深い内容でしたので、併せて訳出・ご紹介頂ければと希望致します。

    返信削除
  3. >日本の外にいる誰も何が起きているのかが理解のできない

    すまん
    何が起きているのかあんたほど理解のできない奴が
    日本にゃ多いんだ(笑)

    返信削除
  4. >巨大な耳と人工頭脳を備えたポケモンの殺人光線が、リスナーの脳に直撃するかのように聴こえさえすれば、あとは自由なのだ。

    そぉ!あとは自由だww

    返信削除
  5. お友達状態にしてからスタート(笑)
    真剣に捉えるべきじゃない~小神さんの死もYUIMETALとの別離もこれと明確に表明せずに楽曲テーマに一般化しているコバの真意はここにあるのかな、と最近は思うようになってきました。
    それともいずれ成長するであろうすぅもあに投げているのかな。
    読み応えのあるレビューの翻訳をありがとうございました。

    返信削除
  6. >それはプレイリスト時代、そして無差別なリスニング習慣の時代に、非常に調和するものでもある。

    なるほど。
    Disc1がどうの、Disc2がどうのと理屈の先走った評論にこちらも惑わされそうだったが、
    すべてひっくるめてこれでいいんだと教えられた感じ。
    翻訳含め、ありがとうございました。

    返信削除