2019年9月13日金曜日

【METAL HAMMER】特集記事:GALAXY QUEST -銀河探求-


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GALAXY QUEST —銀河探求—

BABYMETALがニューアルバムと共に戻り、ラインナップに変化を加えた今、我々はなぜ彼女達が高みを目指す*1のかを知る。

Su-metalとMoametalは隣同士に立っており、彼女達のケープは専門家であるスタイリスト達の手により優美に纏われる。その威厳さは、あたかも我々にクールさが足りない為、知る由もなかった惑星の女王かのようだ。それは暑い7月の午後。パフォーマンス前のロンドンBrixton Academyのバックステージにて、私達はBABYMETALを撮影している。
 Yuimetalがソロキャリア追求の為に脱退する事を発表してから8ヶ月が経っているものの、彼女達のデュオとしての姿を見る事には未だに不慣れだ。彼女達の事務所は、写真に2人が共におさまるよう、そしてスーパーヒーローや奇を衒ったアーティスト等ではなくエレガントに映るように苦心していた。このkawaii-metalのパイオニアにとって、これが新たな夜明けとなる事が明白であった。
 正気とは思えない程に忙しいスケジュールの中、彼女達が落ち着き払っていられるのは並外れた事である。3日前、彼女達は2019年初となるライブ — 1万7000人キャパの横浜アリーナでの「Babymetal Awakens」と銘打たれた2日を終えた。それぞれの日程には代理を務めるダンサーが加わったのだが、これについては後述する。そして彼女達はそのままイギリス行きの飛行機へと飛び乗り、好奇心に満ちたGlastonburyの観客を楽しませに向かい、Bring Me The Horizonの直前にライブをし、ステージを共にしたアメリカ人ポップアイドルBillie Eilishとセルフィーを収めた。
 「日本でのアリーナライブを終えた夜に飛んで、Glastonburyにはフェスの日に到着したんです。なので全部がボンヤリとしていて。」Moametalが告白する。「まだ夢だったみたいなんです。Glastonburyの他のアーティストと比べると、Babymetalはヘヴィーですよね。基本的にポップスが好きなお客さんに、新しいスタイルを見せられたと思いますし、そういったお客さんの前でパフォーマンスした事はなかったので、何もかもが新しかったですね。」

 今夜のBrixtonには、彼女達のホームチームと共に帰還する。買ったばかりのFox God Tシャツを装備したファンの大軍だ。彼女達がステージへと上がり、そこが闇に覆われると同時に、彼らは空に拳を振り上げ歓声をあげる。そこに続くのは馴染みの曲。E*2でキマッたビデオゲームのような楽曲、メギツネであり、今夜の代理メンバー「Rihometal」は、そのハイキックやキツネの耳を模したダンスに遅れもとらず、舞台学校出身のプロかのようだ。次に続くのは快活なシングル曲Elevator Girl、そして意外にもボリウッドの色味を帯びたShanti Shanti Shantiだ。StarlightSyncopationが日本国外で初めて披露され、PA PA YA!!が砕かれた果実から飛び散る果汁のように爆発する。観客はその楽しさに満足しきっていたと言って間違いない。
 そして、私達はライブを終えたSu-metalとMoametalに祝辞を述べる。彼女達は注ぎ込まれた多くの時間をものともせず、意気揚々としていた。先述したように、彼女達の労働倫理は無敵である。
 「とても小さな頃から、歌う事が絶対的に大好きだったんです。それが私の労働倫理の一番の原動力なんです。」Su-metalが説明する。「パフォーマンスをする時は、私が一番愛している事が出来ているっていう事実に、いつも感謝しているんです。それに同じ曲でもお客さんによって違う反応がかえってきますし、その違いがパフォーマンスする上でもとても楽しめる要素になっていますね。」
 2日後、Moametal20歳の誕生日に、彼女達は日本へと飛び立ち、帰る。2015年にMetal HammerがBabymetalを初めて表紙に起用した時には、Moametalはたった16歳でSu-metalは17歳だった。その形成期において、多くが変わった。もうリハーサルの間に宿題が詰め込まれる事もなく、今夜のステージ上の様子は、今まで以上に自信に満ちた様子であった。数え切れない国際的ライブの経験が、その黒い蛇革のベルトの中に刻まれているのだ。Yuiが去り、彼女達はBabymetalの新たな時代に入っており、サード・アルバムMetal Galaxyが、再び彼女達に地球中を駆け巡らせるのだ。しかし、彼女達はこの「すばらしい新世界」を生き延びられるのだろうか?そして、このアルバムは彼女達を真に成層圏へと連れていくのだろうか?
 2ヶ月後、Skypeビデオを通じて彼女達に再会した。今となっては、BABYMETALに必要な手順は承知している。日本のアイドルグループに同じく、Kobametalが彼女達のマネージャーであり、MoametalとSu-metalが彼のクリエイティブ・ビジョンを具現化し、Kami Bandと作曲者は匿名のまま。彼女達の事務所Amuseは私達に対して、インタビュー前に事前に質問を提出するように要請する。これは一般的なインタビューとは異なるものなのだ。
 彼女達は会議室でラップトップを前にして座っており、豪華な衣装ではなくスポーツ用Tシャツを着ており、レーベルの代理人が通訳として隣に座っている。私達は会話を楽しみにしていたが、質問をする度、常に彼女達は事前に準備された回答の書かれた紙を読み上げるのだ。台本通りでない質問を何か聞くと、彼女達は不安そうで混乱した様子を見せるか、その質問はKobametalに聞くようにと促してきた。それは非現実的なシナリオで、あたかもメタル劇に思いがけず出演してしまった女優かのようだ。
 だが彼女達は楽しんでいる様子で、たくさん笑っていた。私達が —台本にはない— ツアーで最も大変な事は、という質問をしたところ、Moametalが表情も変えずに答えた。「スーツケースがパンパンになっちゃってて、ツアーの最後には満杯になりすぎちゃうから、全部詰めるのが一番ツアーで大変なことです。」Su-metalがクスクスと笑い始める。
 Yuimetalについても少し話をした。Babymetalが2018年5月にツアーを初めてから、彼女はラインナップに見当たらなくなった。そして10月にバンドを離れ、健康状態の快復に努め、いつの日かソロになる事を述べた声明を発表したのだ。「何度も考え直したのですが、私はこの度BABYMETALを辞めさせていただくことになりました。 」「もう1度ステージに立ちたいという強い思いもありましたが今も体調が万全ではないこと、そして以前からの私の夢、水野由結としての夢に向かって進みたいという気持ちもあり、今回このような決断をいたしました。」それ以来、彼女については何も聞こえてこない。おそらく、この件については多くを明かしすぎないように言われているのだと思われるが、彼女達は今でも連絡を取り合っているという。
 「私達は本当に長い間一緒にいたので、このグループにとってYuimetalは家族の一員みたいなものなんです。」Su-metalが語る。「彼女は[訳注:Babymetalから]離れてしまいましたが、私達は彼女をサポートしつづけていきますし、彼女が将来やりたい事へと進めるように願っています。」
 
 Babymetalの未来はMetal Galaxyにある。その極めて革新的なアルバムは、2014年のセルフタイトルアルバムと、2016年のMetal Resistanceのハイテンポな雛形を、世界中の異質な音達と融合させたものだ。Elevator Girlの物憂げなジャズがShanti Shanti Shantiのインド編曲へと流れ込み、SabatonのフロントマンであるJoakim Brodenのグロウルが民族音楽的な曲に乗ったOh! MAJINAIへとぶつかる。他のゲストスターにはArch EnemyのAlissa White-Gluzと、タイ人ラッパーF.Hero(PA PA YA!!)も含まれている。
 Babymetalの手法には一貫性がある — 普通は両立しないものを一体にする事で魅了するものを作り上げるのだ。それこそがKobametalがBabymetalを結成した理由だ。
 「Babymetalを始める前からメタルファンで、何かチャレンジを欲していたんです。」彼もまた通訳を通して説明する。「新しいタイプのメタルを産み出したいと思っていた事から、『Babymetal』という名前はきているんです。自分が聴いてきたタイプのメタルにも敬意を払いながら、メタルの新たな進化を作るというのが、それから一貫したテーマになっています。」
 Babymetalを通じて様々なテリトリーを訪れる事が出来た、と彼が語る。日本、アメリカ、そしてイギリスが未だに最大の市場ではあるものの、ドイツ、シンガポール、オランダ、フランス、オーストラリア、オーストリア、台湾、スイス、カナダ、メキシコ、韓国、イタリア、そしてインドネシアに達している。旅は彼に多様な音楽を聴かせてくれた。そして、その幅広い領域をBabymetalに含有する事を求めた。「Metal Galaxy」にある多文化賛美の全ては、このアイディアの探索から来ているのだ。
 「それが、Metal Galaxyのメインコンセプトでした。メタルには様々な種類があり、特定のジャンル内でも国ごとに違った形で表現されていますし、メタル以外のジャンルでも、例えばラテンや色んなジャンルでもそうですよね。」彼が語る。「そういった様々な種類の音を、空にある星ように見ているんです。Babymetalは、そのメタル銀河を旅する宇宙船のようなもので、様々な種類の音を探索するんです。」
 Kobaymetalは常にメタルの地位と地勢に精通してきており、私達がしばしば呼ぶ「グローバル・メタル」 — ヨーロッパと北米以外の音楽 — 、そしてワールドミュージック全般についても熟知している。昨年、アメリカでBabymetalはインド人プログレッシブ・メタルバンドSkyharbor(「彼らの音楽は非常に個性的でクールですよ。」)をサポートに迎え、今年は馬頭-フィドル-を連れるモンゴル人達The Huを迎える。Kobametalは彼らを同じシーンと見ており、バンドのキツネ軍団達と共有できる事を楽しみにしている。
 「はい。自分はあのコミュニティの一員だと感じていますし、メタルというジャンル自体に、非常に独特の切り口があるんです。ポップス以上に。国が変われば、そこには土着のネイティブな音楽があり、メタルと交わったものがあるんです。」そう彼は言う。「そういった方向の新しい音楽を探したいですし、同時にファンにも様々な曲を聴くキッカケにしてもらいたいんです。」
 Metal Galaxyの作曲プロセスの開始時、全ての作曲家を部屋に集め、どういった音楽を探索していきたいかを話し合った(「だから3年半かかるんです!」と彼は冗談めかした)。キューバのリズム、南米の部族音楽、スカンジナビアのメタルが持ち込まれた。ラテンの抑揚のあるNight Night Burn!Megitsuneと同時期の6年前に作り始められた。しかし、他の曲は全て最新だ。気持ちを高ぶらせるクロージングトラック群であるStarlightShineArkadiaを、彼は「光の三部作」と呼んだ。
 「僕にとって光とは二重性を表すものなんです。Babymetalのメインカラーは、赤と黒。そこには光と闇があるんです。」三部作のテーマを、彼が語る。「どちらも不可欠ですよね。光だけでは私達は生きていけない。そこには常に闇もある。人々は各々に様々な形で音楽を体験するという点をもちいて、二重性を抽象的な形で表したかったのです。そして、このサードアルバムの音楽で見せたかったんです。」
 Su-metalは、Starlightを聴くと鮮明なイメージが浮かぶと言う。「あの曲を歌う時はいつも、ニュージーランドの旅で見た星明かりの夜、180度に広がる星の光が思い起こされるんです。」彼女が語る。「その膨大な数の小さな光が、忘れられないんです。」
 「グローバル・メタル」とは、それらバンドをジャンルの全体像から分離したり、更にはジャンル内の他者と比べて劣るともとられかねないニュアンスが含まれており、議論の的となる言葉だ。また、それについて日本人バンドと意見を交わす事は、更に奇妙な事だ。日本は地理的には当てはまるが、商業上、そしてロジスティックには、そのカテゴリーに含まれる国ではない。彼らはThe Huのようなバンドに場を与える強い影響力がありながらも、スウェーデン人のJoakimをアルバムに迎える事に興奮してもいる。
 しかし、世界がさらに繋がっていく最中、「グローバル・メタル」バンドのブレイクスルーが増えていく感触もある。Kobametalは、その流行に乗ろうとしている事は否定し、彼がいかにメタルを愛していて、とりわけオリジナルで輝かしい型へと錬金できるバンドを愛していることを熱弁した。
 「そういったものの流行について、意識的に考えた事はありませんでしたが、Babymetalは様々なロックシーンを探索する機会に多く恵まれてきました。Bring Me The Horizonのようなバンドですとか。彼らの最新アルバムは、非常に実験的でしたよね。」彼が説明する。「ですから、外から見ると、そこに流行やムーブメントがあるように見えるかもしれませんが、Babymetalとして、そこに乗ろうとしているわけではありませんし、ただ同時発生しているというだけです。Glastonburyで、Bring Me The Horizonがダンサーをステージに登場させていたのはとても興味深かったです。もしかすると実際、視線にBabymetalが入ってたかもしれません。」彼が含み笑いをした。このインタビューの数日後、日本で開催されるSummer Sonicのセカンドステージのヘッドラインナーを務めるBabymetalの前に、Bring Me The Horizonが演奏している。Oli Sykesは、そこで「俺たちはお前らを暖めるために来ただけなんだ。俺たちはFOX GODの為にここに来たんだぜ!」と言っているのだ。Babymetalは長らく選択&混合というアプローチを、メタルとポップカルチャーへのオマージュとして行ってきているが、Metal GalaxyのオープニングトラックであるFuture Metalは超奇妙かつ素晴らしいものだ。ロボット的な声が宣言する:「これはヘヴィーメタルではありません。Babymetalの世界へようこそ。」そしてエレクトロニックな興奮が後を続く。これは明らかにBMTHの昨年のアルバムAmo収録曲、Heavy Metal*3にツイストを加えたものだ。
 「ええ、そうかもしれませんが、私が最も尊重しているのは、世代を通じてメタルを届けてきた様々な著名バンドのメタルマスター達です。」そう彼は語る。「BabymetalやBring Me The Horizonといった、新しい世代のバンドがメタルの魂を受け継いで、その伝統を続けていく事が重要なのです。しかし、同時にメタルの進化も大変興味深いものです。伝統を受け継ぎながら、メタルの進化を自分が作ることができればと願っています。Sheffield*4もメタル銀河の星の1つかもしれませんね!」

 Yuiの別れはBabymetalを不時着させたかもしれないが、その隠喩上の宇宙船内にいるSu-metalとMoametal十分に充足しており、Metal Galaxyについて熱心に語っている。キャプテンKobametalは、彼女達が乗組員の仲間を失った事について心配していた事を認めたが、今は彼女達が長い目で見ている事に自信を持っている。
 「ええ。もちろん彼女達の事を心配していましたが、同時に各メンバーの事をリスペクトもしています。2人共大人になりました。そして、それぞれが望んでくれたからBabymetalを続けている。その事には無条件に感謝しています。」彼が説明する。「このグループの間には、一種の信頼があります。もちろん心配をしていますが、彼女達の望む事を僕は信頼するだけです。」
 約10年前のBabymetal乗組員オーディションを彼が思い出す。彼女達が歌とモデル業に携わっていた時だ。彼はすぐにSu-metal、MoametalそしてYuimetalが勝利のコンビネーションだと分かったのだ。
 「Su-metalの歌を初めて聴いた時についてですが、彼女のように歌うシンガーは殆どいませんし、その歌が非常に真っ直ぐだったんですね。」「メタルバンドにはダンス要素は普通ありませんから、それをメタルの未来に加える事は面白いと思ったので、その為にYuimetalとMoametalを振付上での双子の要素として選んだのです。」
 過去9ヶ月間、全員が新たなダイナミクスに合わせた調整をせねばならなかった。昨年のDownloadフェスでは、ステージ上に5人のメンバーが立つ事で、彼女達の血気盛んなジャンプ、スピン、そしてハンドジェスチャーに新たなレベルの動きが加えられた。今年は彼女達のトライアングルフォーメーションへと戻り、空席となったポジションを3名の鍛錬を積んだローテーションするメンバー:アベンジャーズの内の1名が埋めたのだ。このコンセプトは、巨大なスクリーン上のメッセージとして、Glastonbury前の横浜でのライブで紹介された。
 「それがMetal Resistanceエピソード8、新しいBABYMETALの始まりです。」Kobametalが説明する。「Su-metalとMoametalに加えて、彼女達をサポートするアベンジャーズが、Fox Godが召喚した選ばれしダンサーとなる。それが横浜でのライブのメインテーマでした。そして、誰が選ばれるのかは、Fox Godのみぞ知るところなのです。」おかしな話だが、Babymetalにパーマネントな3人目のメンバーが加わるのかという、私達の質問も狡猾な狐の統治者へとまわされる事になった。
 Babymetalが新たに訪れた国の1つがメキシコであり、Kobametalがルチャリブレを観戦した事を熱を持って語る。その影響をBabymetalにも導入するかと尋ねると、彼はプロレスの劇要素は既に導入済だと語った。唐突に、それは明白となった。
 「既に入ってますよ。」彼が説明する。「プロレスの要素は、ストーリー展開に反映されています。選ばれたダンサーが登場するドラマチックなストーリー展開や、過去においてはChosen Sevenやダークテーマも同様でしたね。」
 ああ、そうだ。ビデオやステージ上で披露されたエピソード7のややこしいコンセプトがあった。そのビジュアル、グッズ展開、そしてマーケティングと、このバンドに注がれるクリエイティブな企画の量は壮大だ。Kobametalは昨年のコミックブック・プロジェククト、Apocrypha: The Legend of Babymetalを拡大する事を望んでいる。他にも派生作品はあるのだろうか?「アパレルがあるかもしれませんね。」そう彼は答えた — おそらく、プレミアムなスポーツウェアブランドBMD Foxアパレルの展開であろう。それについて、もっと教えてもらえますか?「近い内に発表したいと思ってます。」彼はそう曖昧に答えた。
 この秘密主義を保つ一定水準が、このバンドの周囲に漂う神秘的な空気を確かなものとしており、その事により、ファンが推測を続け、ファン各々によるBabymetalへの願望を空想させているのだ。Su-metalとMoametalが、彼女達のバックグラウンドやプライベートについて語れるようになる時がくるのか、と聞いたところ、彼の戦略をサポートするメタルの聖典を利用して答えた。「Ghostのようなバンドと似たようなものです — それは全て、バンドコンセプトのストーリーラインを通して語られます。」彼は返答した。
 しかしGhostの首謀者であるTobias Forgeは数年前にキャラクターの殻を破った。Babymetalにも同じ事は起こるのだろうか?
「Only the Fox God knows...」
 Metal Galaxyは、間違いなく彼女達を前へと推進させる。イギリスの地に立ち、そのままSonisphereのメインステージへと進み、DownloadやWembleyといった重要なライブが続いた。それら4日間を超越するように、Kobametalは彼女達の赤と黒からなる旗を、更に様々な地に立てようとしている。彼は、Babymetal 2.0が準備万端である事を確信している。
 「彼女達は力をつけていますし、この約10年間の間に様々なパフォーマンスをした経験を通じて、精神的にも身体的にも強くなっているんです。」「そして、彼女達自身のBabymetalの見方が、彼女達の中で調和しているように感じられますし、彼女達がその見え方を導いているんです。未来のBabymetalの姿や、来たるツアーをどのように行っていきたいかを話し合っているんです。」
 Babymetalの2人も、彼女達が変わったと感じている。「背も高くなって、見た目も変わったかなと思います。他人から見ても成長したって見てもらえるとは思うんですけど、この数年で心と考え方が変わったって感じています。」Moametalが語る。「どのライブでも最高の状態を見せたいんです。こうやって出来ている事が、どれだけ幸運な事かを絶対に忘れたくないですし、私を周りでサポートしてくれている方々への感謝も忘れたくないんです。」
 彼女達の野心について聞いてみた。グラミーにて日本を代表してみたいだろうか?彼女達は笑う。「いまグラミーって言われるまで、本当に考えてみたこともなかったです。」Su-metalが言う。「でも、それは間違いなく夢ですし、それが叶えば本当に素晴らしいと思います。」
 Babymetalにとって他にはどんな夢があるだろうか?「私達はメタルの未来になりたいんです。」Su-metalがそう答えた。
 彼女は、紙に書かれた答えを読むことなく答えた。だから、私達も彼女を信じよう、という気持ちでいる。宇宙服、酸素タンク、そしてフリーズドライされたパパイヤ[訳注:Papaya]を手に取り — 私達もそこに同乗しよう。


*1 高みを目指す:「shoot for the stars」という、非常に難度の高い目標を目指す事を指した、英語の慣用句。銀河というテーマともかかった表現。

*2 E:エクスタシーというドラッグの隠語。以前はテクノシーン、現在はEDMシーンで流行するドラッグで、メギツネのEDM/4つ打ちを含有した感覚を表現したもの。

*3 Amo収録曲、Heavy Metal:「インスタグラムでは、キッズが『元々ファンだったけど、これはヘヴィーメタルじゃない』なんて言ってる」という歌詞が含まれている。

*4 Sheffield:イギリスの地名。Bring Me The Horizonの出身地。Def Leppard、Arctic Monkeys、65daysofstatic等、様々なバンドを排出。

14 件のコメント:

  1. メタルハマー雑誌で買う日本人多いと思いますが翻訳が無きゃ読めないという(笑)
    日本向けに翻訳付きで売ればPMCヘドバンに並んで売れそう。

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  2. ありがとうございました
    ユイと今でも連絡をとっているってのが知れてよかった
    METAL HAMMERがグラミーに言及したか

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  3. いつも迅速かつ丁寧な翻訳ありがとうございます。
    ホンヤクメタルさんの訳文は、二人の口調やニュアンスまできちんと表現されているので素晴らしいといつも思います。
    台本があるのをバラされていたり(まあ、誰でも知っていることとはいえ)、日本のメディアではありえない文章があるのが面白いですね。
    内容的にも、いつもの定型文だけでなく、新しい情報が多いですね。
    ・ゆいちゃんと今でも連絡を取り合っていると明言。
    ・アルバム制作前に全ての作曲家を部屋に集め、話し合った(制作陣の情報珍しい)。
    ・Night Night Burn!はMegitsuneと同時期に作り始められた、など。
    これから日本の雑誌も発売ラッシュですが、海外メディアならではの情報もあると思うので、ご多忙とは存じますが、引き続き翻訳で楽しませていただければ幸いです。
    よろしくお願いいたします。

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  4. PMCやヘドバンが同じ位深い記事になっていると期待します。
    もし提灯記事だけだとしたら、この翻訳はとても独立性の高い記事になりますね。

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  5. グラミー賞は今年から8月末までのリリース作品を翌年の対象とするので、10月発売の「Metal Galaxy」がノミネートされるとしても2021年ということになります。

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  6. 翻訳ありがとうございます。
    興味深く読ませて頂きました。
    感謝感謝です。

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  7. 読み応えがありました。
    長文翻訳ありがとうございます。
    ハンマー買いたいけど売り切れなんですよね・・・

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  8. 翻訳ありがとうございます!
    非常に読み応えのある記事ですね。
    電子書籍版を買いました!

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  9. ありがとうございました
    コバの話は興味深いですね
    いくらなんでもグラミーはさすがに「夢」だよね

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    1. メタルである以上、流石にね

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  10. 長文の翻訳をありがとうございます。
    尚、Android版アプリですが、TEAM ROCK謹製は無く
    スペイン語版の別誌(?)のみになっている様です。
    当然、当該Issueは無いことをご報告します。

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  11. なんだか冗長で読みづらい。
    日本人のインタビューでもっとツボをついた話が聞けたらいいんだけど、一生無理なんだろうなぁ。紋切り型の答えばかり。

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  12. 大人の二人を尊重している、とか言っていつまで黙らせておくんだろう

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  13. すーちゃんいつの間にNZ旅行したのかな。

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