2019年7月10日水曜日

【TURN IT UP LOUDER】O2 Brixton Academyライブレビュー (日本語訳)

Nathan Lagden著

2014年2月、BABYMETALはその無題のデビューアルバムによって、メタル界における最も賛否を呼ぶバンドとしてのポジションを確立した。中元すず香(「Su-Metal」)、水野由結(「Yuimetal」)、菊地最愛(「Moametal」)という10代の女の子達に名を伏せたバックバンド加えたBABYMETALによる、J-Popのサビと破壊的ヘヴィーメタルリフの融合はメタルヘッド達を魅了させ、あるいは激昂させた。5年が経ち、Kawaii-metalバンドがO2 Brixton Academyへと帰還した。彼女達にとって希少なイギリスの地でのパフォーマンスの内、初の単独ライブを開催した場所だ。場所は違わずとも、この年月の中、BABYMETALには多くの変化があった。最も顕著な変化として、2018年10月に健康上の理由でグループを脱退したYuimetalに代わり、ステージ上にはJ-Popグループ「モーニング娘。」のシンガー、鞘師里保が参加している。Yuimetalの代わりとして鞘師がパーマネントなメンバーとして加入するのかは、未だに明言されていないが、Brixton前のグラストンベリーでのデビューパフォーマンスを見るに、メンバー加入は確実なものであろうと今は見受けられる。バンドは新たなアルバム(2016年のMetal Resistance)もリリースしており、今回演奏する新曲も数々持ち合わせている。その事、そしてUK単独ライブを近年欠いていた事が合わさり、多様な客層が埋め尽くすAcademyの興奮のレベルは、この場所で彼女達がメタルシーンに火をつけた時の事を思い起こさせる。


5年前との著しい違いがもう1つ。今回、BABYMETALは熱を高めるサポートバンドを2組用意しているという事だ。
[オープニングアクトのレビュー部・中略]

君のBABYMETALに対する意見が何であろうと、BABYMETALのファンへの影響力の大きさを否定する事はできない。そして彼女達はその力をいかに扱えばいいのかも正確に心得ている。女の子達のステージエントランスに向けたビルドアップは素晴らしく巧みだ。Brixton Academyが闇の中へと急転。唯一見えるバンドロゴへと室内の興奮が全開になる。そして彼女達を名声へと押し進めたデビューアルバム収録の「Megitsune」を開始。代役のメンバーがいるようにはまるで見えず、ダンスルーティーンのコレオグラフィに非の打ち所はなく、バンドのライブ史上変わらぬ凄まじいミュージシャンシップが支えている。このエネルギッシュなオープニング曲の後も誉れに身を休めることもまるでなく、ニューシングル「Elevator Girl」、そして最新曲が3曲続き、観客はモッシュピット、クラウドサーフ、多数のウォール・オブ・デスで絶対的に享受する。この間のショーマンシップは、世の殆どのシアトリカルメタルバンドに匹敵するものであり、観客がもし立ちすくんだとしても、そこにはライトショーのスペクタクルと、飛散するパイロテクニックが提供される。

全体を通じてセットリストの半数の曲が新曲であり、このパフォーマンスにおいて持ち上がる唯一の非難へと繋がる — 長さが十分ではない。11曲(内、新曲が5曲)しかなく、1時間半だけで終わりを迎えたライブは、法外と言っても差し支えないチケット価格を支払った観客にとって、割に合わないと感じる事があっても構わないはずだ。それは疑いの余地のない真実ではあるが、しかしそのステージ上にいた時間を通じてBABYMETALは絶対的な最大級のエンターテイメントを与えていた。新曲が終わり、観客は「Gimme Chocolate!!」と「KARATE」という、とてつもないワンツーパンチを食らわされ、それらファンにとって確実なフェイバリット曲達に観客は最大限の熱狂を返す。このような曲が、BABYMETALがギミックだけのバンドではないという事を喚起させる。前者の暴力的にヘヴィーなセクションは、後者の制御されたリフとハーモナイズと合わさり素晴らしい構成となる。中でも、とりわけの称賛はSu-Metalに与えられるべきだ。その謎めいたフロントウーマンとしての存在だけに留まらず、終焉曲前に歌われ観客に畏敬の念を抱かせた「THE ONE」での愕然とさせるほどのボーカルソロを賛嘆するべきだ。バンドに残されたのは「Road To Resistance」(訳注:原文ママ)で幕を閉じること。それは観客に残された時間を可能な限り狂乱する事へと駆り立てる。バンドの退場と共にニューアルバムMetal Galaxyの10月11日発売、そして来年のヨーロッパツアーが告示される。このようなパフォーマンスの後では、この観客の全員が再びライブに向かう事は必然だ。5年前、BABYMETALは一発屋に過ぎないと予想した多くの人々は誤っていた。このグループは、彼女達が最もエキサイティングで楽しいバンドであるという事実を、ライブパフォーマンスで証明し続けているのだから。

3 件のコメント:

  1. いい記事、いい翻訳です。ありがとう!

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  2. ライブがあっという間に終わるのは本当に同感します。
    楽しい時間は短く感じるとはいえ神バンドインスト含め、すうメタルのソロで踊りを入れなければ2から3曲は入れられるのではないかと思います。
    神バンドのインストも聞きたい(悪夢のロンドみたいな感じ)のです。楽器隊のそれぞれのテクニックを堪能したい(BABYMETALの世界観の中で)のです。
    ただしそれをやって2時間のライブになったらピットで倒れる人が多数でると思いますけれど。

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  3. 曲数が少ないのはやっぱり気にしてるようですな海外メデイアも
    あと2・3曲増やすことが出来ればもう少し評価上がったりするのかな

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