2016年3月4日金曜日

【UPSET MAGAZINE】 メタルレジスタンス アルバムレビュー

全くもって奇抜 だがそれ以外に何を望んでたっていうんだ?

Ali Shutler著

★★★★ (星5中)

BABYMETALのデビューアルバムは、砂糖でコーティングされた挑戦的な活気が炸裂していた。はしゃいだ様子で滑稽さと楽しさの間を飛び跳ねる事で興味を惹き、論議を呼び、興奮を喚起したが、今やそれから1年、好奇心のみに依存しては生き残れない。「メタルレジスタンス」がデビュー盤のイタズラなスピリットを引き継ぎながら、周囲に大胆かつ色鮮やかな世界を構築した事は賞賛に値する。ハイキックし、腕を振り回し、容赦なく大胆。それは純粋なエンターテイメントだ。純真で楽観的、BABYMETALは上昇線の時期へとたどり着き、この先も残るものへと成長した。

ソース: UPSET MAGAZINE

2016年3月3日木曜日

【Kerrang!】「今週のCDジャケット」にメタルレジスタンスが掲載

メタルレジスタンスのジャケットが今週のKerrangレビュー欄の「今週のジャケット」に取り上げられています。ちなみに海外版は限定版も含めて、ロゴ中心のジャケットのみです。国内初回生産版のジャケットは海外では使用されていません。


それは宇宙にに浮かぶBABYMETALのロゴである。あまりに巨大で、土星のように小惑星のリングをまとっている。そしてそのロゴは黄金で作られている。すなわち、メタルレジスタンス(訳注: メタルの反撃などの意)に大きな望みを持っているのだ。
ソース: Reddit 

2016年3月2日水曜日

【Metal Hammer】Metal Hammer281号 "RESISTANCE IS FUTILE" 後編

非常に長いテキストの為、前中後編に分かれています。
原文はWEB上ではこちらにあり、FacebookまたはGoogle+アカウントがあれば登録不要で全文を読む事が可能です。またiOS/Android用に提供されているMetal Hammerアプリから電子書籍版が480円で購入可能です。


RESISTANCE IS FUTILE (抵抗は無駄だ): 後編

「BABYMETALは既に現実にあるアニメショー」
バンドストーリーのスピンオフはあるのか?ONLY THE FOX GOD KNOWS...


2016年のより詳細な計画について話の向きが変わると、彼女たちは概してより自信に満ち、想像できる以上に沈着冷静な様を見せ、口をつぐむ。そして常に謎めいた様子のKobametalは彼の安全装置のみしか提供してこない。「Only the Fox God knows」の返答だ。既に不朽の姿となったのPop Vinylフィギュア — Forbidden Planetから近日発売 彼女たち自身はまだ入手していない — を踏まえ、彼女たちのブランドをアニメや漫画のスピンオフに拡大することを考慮しているのかを聞くと、そのプロデューサーは、彼の元には「多くの人々から様々な異なるアイディア」からなるアプローチが届いていることを認めたが、契約には至っていない事を強調した。

「ここにいるのは特別なグループです。」と述べる。「BABYMETALには、現実とフィクションのほどよい境界線 が既にあります。なぜならSu-metal、Yuimetal、Moametalは彼女たち自身がキャラクターですから、ある意味ではBABYMETALは既に現実にあるアニメショーなんです。ですので、それをフィクションに持ち込む事は難しいプロセスを経る事になるでしょう: グループ内でのパーソナリティを正しく捉えているという意味で正確になされる必要があります。」

今からウェンブリーまではライブのブッキングはなく、グループの焦点はバンドの未来を根源的に握る鍵となるメタルレジスタンスの元にある事をKobametalは強調した。

「デビューアルバムはある意味では『ベスト盤』でした。アルバムが発売される前に多く異なるシングルを発売していたので、その時点までに書かれた楽曲のコレクションでした。」とKobametalは言う。

「ですが、このアルバムはそうではなく、正当なスタジオアルバムです: テーマは全て共通していて、このリング、このサークル、The One、皆が共に集まり、そのサークルが更にかつてない程に増していくのです。」

そのコンセプトは彼女達の想いにも近いものだ。「今週末のライブで自分が気づいたのは、多分初めてそう思ったんですけど、BABYMETALは自分たちだけの事じゃないなって、私たちとKami Bandだけでもなくて、— 私たちとバンドと居合わせてくれる皆さんの事なんだって思ったんです。」とSu-metalは語る。

「2014年の終わりに私たちはBrixton Academyでパフォーマンスをして、Road of Resistanceを初めて演奏したんですけど、あの曲は未知の領域を探求する事についての歌で、それは私たちが2015年にやってきた事でした。横浜アリーナでの最後の曲、The Oneは狐の神様からの新しいメッセージで、私たちが次の年にどこに行くべきかを示してくれています。みんなを1つにしながら。」

Su-metalはカメラの前でポーズと笑顔を送っている年下の友人達に目を向けた。

「昨日のライブの終わりに[アリーナ中を飛んだ]「トライアングル』に乗った時、ファンの皆さんにあれ程に近づいて皆さんの笑顔や、皆さんが掲げてくださっているキツネサインを見る事を私たちは初めて出来たんです。この事のパワーが理解できました。」彼女はおだやかにそう言った。「その事が来年の私たちの背中を押してくれます。私たち全員にとって重要な1年になる気がしているんです。」

(終)

【Metal Hammer】Metal Hammer281号 "RESISTANCE IS FUTILE" 中編

非常に長いテキストの為、前中後編に分かれています。
原文はWEB上ではこちらにあり、FacebookまたはGoogle+アカウントがあれば登録不要で全文を読む事が可能です。またiOS/Android用に提供されているMetal Hammerアプリから電子書籍版が480円で購入可能です。


RESISTANCE IS FUTILE (抵抗は無駄だ): 中編


「誰か本当に来てくれるのかなって思ってます!」
Moaはウェンブリーでのライブについて根拠のない心配をしている


(続き)
「東京ドームのライブのニュースを聞かされた時、私たち落ち着いてるように見えましたか?」目を丸くしたYuimetalが尋ねる。「本当に衝撃的で私たちまだ信じられないんです。東京ドームは私たちの夢でさえまだなかった場所なので、そこでライブをするっていう 事自体、現実的じゃなさすぎて。だから私たちが気にかけていないような印象を持たれたのかもしれません。まだ私たちはそれが本当なんだって事を飲み込むのに必死なんです。」

それは2日目の横浜アリーナでのライブを終えた翌朝。BABYMETALは東京のフォトスタジオにいた。はにかんだ笑顔と丁寧なお辞儀で、彼女達より前に到着していたMetal Hammerとメイクアップアーティスト達、スタイリスト達、マネージメント担当者達という周囲を取り巻く人々にも挨拶をする。普段着の彼女達はステージ上のキャラクターより更に若く見えた — Yuiはミッキーマウスのスエットシャツで現れた — が、この朝みせた彼女達の常に変わらぬ丁寧な振る舞いは、自信にあふれたプロフェッショナリズムを伴い、その事は目まぐるしいペースで若きエンターテイナー達を採用し、搾取し、廃棄する感傷的ではない産業の中、Su、Yui、Moaを合わせて20年の経験を蓄えているという事実を強調する。

チームBABYMETALが彼らが担当する彼女達を、鷹のように注意深く見守る事は全くもって理解できる事であり、表立たぬようにしているKobametalも、我々がメディアとしての職務を行う時には警戒を見せる。Metal Hammerの写真家John Mcmurtrieのカメラは慎重に調べ上げられ、そのポーズが不適切だったり年齢にふさわしくないとみなされた時折、拒否権を行使された。同様に彼女達がインタビューされている時にはiPhoneがテーブル上に録音モードで置かれており、十代の女の子達にを保護する為、いつも通訳を担当しているNoraによって伝えられる彼女達の反応が、誤って引用されたり歪んでいる場合に備えて会話がモニタリングされているようだ。バンドメンバーのプライベートな生活についての質問は、その録音から迅速に掘り当てられ、差し障りなく見受けられる「友人は彼女達のBABYMETALとしての生活をどう見ているか」という質問も「我々は彼女達の家族や友人を目立たせたくないので、その質問にはお答えしかねます」と即座に返答された。彼女達自身もそのマニュアルをわかっている: バンドから離れたところでのSu-metalの趣味について尋ねたところ、見事に不明瞭な「若い女性達が興味をもっているような事に私も興味があります」という実際には何も言っていないかのような答えが返ってきた。この慎重さは彼女達のプライバシーを守るためだけではなく、きわめて重要なことに、BABYMETALのコンセプトにおいて、根底を成しており、本質であるとKOBAMETALが見なす神秘感を保つためだ。Ghost*1、もしくはKobametalの愛するKiss、むしろSteel Panther*2と同様、そのアートの裏にある血肉からなる人間を暴く事は、包括的なコンセプトから気をそらせるものになると見受けられる。さればKami Bandのメンバー達は日本では著名であり、彼らのアイデンティティはファンサイト上で自由に公表されているが、ミュージシャン達がバンドのためにメディアへのインタビューに答える事は許諾されていない: 同様にSu-metal、Yuimetal、Moametalの来たるアルバム「メタルレジスタンス」の制作における役割についての質問も退けられたのは、公式の物語では彼女達は全能の狐の神のメッセンジャーであり、その思し召しにより職務上の動きの全てが導かれているからだ。

「ディズニーランドでミッキーマウスが登場してファンを楽しませた後に、スーツを脱いであなたに『あ〜マジ疲れたわ。この仕事やってらんねえって。』って話かけてきたとしたら?という事を想像してみてほしいんです。」KobametalがNoaを通して説明する。「それはみんなの夢を壊しますし、ファンタジーを破壊する事になります。」

「実際、彼女達にとっても気楽になるんですよ。」彼は続ける。「なぜならBABYMETALとして何をしなくちゃいけないかに集中して、舞台上でどうあるべきかに焦点を合わせる事ができますし、他の事を心配する必要がなくなる。そういった意味で彼女達にとって、より自由なんですよ。」

とはいえ、今日のように個々のインタビューをした折には(稀な事で、Su-Metalはプロモーション活動から解放され次第、バンドのニューアルバム用の仕事を再開するためにオーストラリア行きのフライトに乗る必要があった事から止むを得ずそのようになった)グループ内での包括的なパーソナリティや各々の熱望が現れてくる事となる。

グループの起源を取り巻く想像上の神話の向こう、BABYMETALストーリーの起源は、広島の学生であった中元すず香が姉の日芽香を追い、1999年に設立された芸能スクールであるアクターズスクール広島に入学した年代へと遡る事が出来る。モーニング娘。、AKB48やPerfumeといったアイドルポップグループを育て上げた場だ。Su-metalはを彼女がボーカリストとなった影響をJ-POPトリオPerfumeから貰ったものだと賞賛しており、「子供の頃はいろんな楽器でたくさん遊んでいたんですけど、歌以外はどれも続かなかったんです。」と述べている。YuiとMoaより2歳年上のSu-metalは、彼女がグループの「お姉さん」である事を快く受け入れており、ユニットのリーダーとしての役割も真摯に捉えている。ロールモデルでいる事の責務を多少しぶしぶながら受け入れ、(メジャーデビューシングルであるイジメ、ダメ、ゼッタイがイジメ反対のメッセージを高らかに呼びかけるものであったにも関わらず)彼女のグループによるポジティブな影響について聞かれると、「BABYMETALに触発されているファンの方々がいらっしゃる事を知れて嬉しいです」と、いくばくか質問の意図を逸らして答えた。

「私たちはBABYMETALをはじめるまでメタルの事を全く知りませんでした。」と彼女は述べる。「そして私たちと同じような人たちに音楽を届けられる事は素晴らしい気持ちになります。Reading & Leeds Festivalでパフォーマンスをした時、私たちはオープニングアクトでしたので、最初はあまり多くの人が見にきてくださっていなかった事をはっきりと覚えているんですが、でも芝地が私たちが始まる頃には埋まりはじめてきていたんです。そこにいる皆さんが『この子達、誰なの?』って思ってるのが見てとれましたけど、それでもライブに反応してくださっている事が見れた事が素晴らしかったです。ですので、海外の土地で、私たちの事を何も知らない人達の前で自分たちが何者かを表現できる事を誇りに思っています。」

YuimetalにとってSu-metalこそが歌手になる影響を与えた人であると認めている。9歳の頃、東京生まれのボーカリストはSuが彼女にとって初めてのプロフェッショナルなバンドである可憐Girl’sとしてパフォーマンスをする姿を見て、即座に「私はあの人みたいになりたい!」と思いが喚起された。2年後さくら学院のために採用され、彼女と親友のMoaが、SuとBABYMETALに参加すると聞いた時に「激昂」した事を、Yuiは笑いながら明かしてくれた: 「『これは最高になる!』って思ったんです。」そう彼女は思い出を語ってくれた。

BABYMETAL不変の陽光と他のメンバー達に形容されるMoametalは、加入したバンドについて「全く何も」予測がつかなかった事を陽気に思い出し語る。

「グループはもっと『ヘヴィー』な音楽に向けたものだって聞いたんですけど、「ヘヴィー」な音楽って意味が全くわからなかったんです。」そう彼女は認める。「あのー、なにか重い物について歌うのかな?って。BABYMETALの一員になってみて、『これがヘヴィーな音楽なのね!衝撃的!』って気づきました。」

YuiとMoaのどちらもがBring Me The Horizonを今お気に入りのメタルバンドに挙げている。MoaはLimp Bizkitもよく聴いていると言い、YuiとSuはMetallicaとSlipknotそれぞれを敬い、見習いたいバンドとしてリストアップした。4月にウェンブリーアリーナでパフォーマンスする事を持ち出し、BABYMETALが彼女達のヒーローの足跡をまた一歩辿る事を伝えると、彼女たちは興奮で実際に紅潮し、Moametalは「誰か本当に来てくれるのかなって思ってます!」と叫んだ。

「まだ現実感がないんです」とSu-metalは認める。「ウェンブリーアリーナが本当に伝説的な会場だという事は知っているので、そこで私たちがパフォーマンスするって考えると少し動揺してきます。このライブを私たちが成し遂げるためには、私たちも何か伝説に残るような物を届けなければならないです。イギリスは私たちにとって特別な場所です。いつもなにか新しい物を学べて、BABYMETALの成果にできるものを得られる場所ですので、なにか特別なものがウェンブリーでは作り上げられる事になると思っています。絶対に見逃さないでください!」

「BABYMETALにいる事で学べた一番の事は、この3人が一緒なら何でも出来るし、何でも乗り越えられるって事です。」そうMoametalは語る。「私たちのファンの方々が、私たちの事をどれくらい知って下さってるかはわからないんですけど、全くそれはそれで構わないんです。私たちの音楽を知ってくださってる事がもっと重要なことなので。」

(続く)


訳者注釈
*1 Ghost:
 
本年度のグラミー賞メタル部門を受賞したスウェーデンのメタルバンド。
メンバー全員の正体が隠されており、ボーカリスト以外は名前さえ「Nameless Ghoul」で統一され個別に認識させなくしている。

*2 Steel Panther
 
LAメタルやグラムを徹底的にパロディした実力派メタルバンド。
各メンバーのキャラクター付けも明確に分かれており、曲のテーマもほとんどが過激な下ネタとドラッグ。インタビューでも質問に対してほとんどセックスかコカインの事で返答する。


【Metal Hammer】Metal Hammer281号 "RESISTANCE IS FUTILE" 前編

非常に長いテキストの為、前中後編に分けて投稿します。
中編 後編
原文はWEB上ではこちらにあり、FacebookまたはGoogle+アカウントがあれば登録不要で全文を読む事が可能です。またiOS/Android用に提供されているMetal Hammerアプリから電子書籍版が480円で購入可能です。


RESISTANCE IS FUTILE (抵抗は無駄だ): 前編

物珍しさを超え、現象以上に。我々は日本へ上陸しBABYMETALによる世界征服の加速度を知る。


「いまBABYMETALの力を 理解できました」
この儀式の規模がSu-metalの理解を促している


横浜アリーナの廊下に並ぶ額に入れられたツアーポスター達が、その歴史に名高い過去を証明している。
その17,000人のキャパシティを誇るコンサートホールは、東京の著名な武道館のような文化的名声を持ち合わせてはいないかもしれないが、国内で独自の地位を獲得している: ローリングストーンズ、The Who、AC/DC、クイーン、Kissがそのステージを飾り、先駆的なジャパニーズメタルの象徴であるX Japanも会場のヘッドライナーとなり — ニューヨークの伝説的なマディソンスクエアガーデンを模範としている — そして2001年8月26日、Slayerとの共同ヘッドライナーとしてPANTERAが彼らの最後となるライブを、日本初の終日を通したメタルフェスティバルBeast Feastにて行った場所もここなのだ。

2013年のある日、今や世界中に広くBABYMETALのメンバーSu-metal、Yuimetal、Moametalとしてより知られている中元すず 香、水野由結、菊池最愛は、彼女達の指導者である小林”Kobametal”啓に、このアリーナへとJ-POPのコンサートの為に連れて来られた。いつの日か彼女達のグループがこのステージに立ち、熱狂的なファン達が彼女達の曲を彼女達に向かって歌い上げる事になると約束したのだ。その十代の3 人は、彼女達のプロデューサーの未来へ向けたビジョンに熱心に耳を傾けながらも、そんな不可能におもえる夢がどうやって実現するというのだろうと、各々に密かに訝しんでいた。

2年が経ち、その予言は現実となっている。クリスマス2週前の週末、そのトリオは純真な音楽ファンとしてではなく、二夜連続の主演者として横浜アリーナに帰ってきたのだ。12月12日の夕方早くには、数千のファンが軽い午後の雨の中、我慢強く並んでおり、会場を取り囲む多数の物販ボードには「Sold Out」のステッカーがベタベタと貼られている。開演を何時間も前にして、そこにはすでにパーティーの趣がある。ライクラ*1製のスケルトンボディスーツを着た男が、小さなBABYMETALドッペルゲンガー達の横でポーズを決めて写真に写る一方、十代の女の子達ははしゃいだ様子で、友人だけでなく他人にも同様に黒と白のフェイスペイントを施している。ただ単なるライブである以上に、これはある種の「イベント」のようだ。

横浜でのライブはBABYMETALにとって「トリロジー最終章」と掲げられ、国内において大変に重要であった一年を締めくくるものだ。その1年で彼女達はさいたまスーパーアリーナ(キャパシティ: 30,000)と幕張メッセ(キャパシティ: 25,000)で単独ライブを開催した。
統計調査会社であるオリコンの収集した数値によれば、トリオはその母国で47,241枚のセルフタイトルアルバムを2015年に売り上げ、そこにLIVE AT BUDOKAN ~RED NIGHT & BLACK NIGHT APOCALYPSE~とLIVE IN LONDON -BABYMETAL WORLD TOUR 2014-による26,667枚のDVDと52,240枚のBlu-Rayという驚くべき数字が加えられる。BABYMETALにとっての日本国外最大のマーケットであるイギリスでは、バンドの次なる単独ライブが4月2日、12,500人のキャパシティのSSEアリーナ・ウェンブリーで開催される。このような大いなる統計は音楽業界を超える波紋を起こす事となる: 影響力の大きな日本の雑誌である日経ビジネスは先ごろ「次代を創る100人」の記事でこのグループを取り上げ、「彼女達はアイドルではない: 彼女達は一流のアーティストだ。」と記した。

トリオによるここ横浜での週末において、最も興味をそそる側面とは、このショーが日本人トリオを地球上最も話題にのぼった新しいバンドへと押し上げた2年間のキャンペーンの功績たるビクトリーラップとして用意された単なる祝賀会ではなく、思わせぶりに垣間見せるBABYMETALの未来を提供するという事だ。

両夜共に馴染み深い様式ではじまる。Kobametal個人のプレイリスト — Bring Me The HorizonのThrone、Judas Priest のPainkiller、そしてPanteraのCowboys From Hellなど— が、観客達が上品にそれぞれのシートや「HAPPY MOSH’SH PIT」のプラカードが印された指定のスタンディングエリアへと入場する最中、アリーナに鳴り響く。Metal Hammerが1月、BABYMETALのさいたまスーパーアリーナでのショーに参加した際、私たちの編集者Stephen Hillは、このグループの母国での核となる観客は未だポップスファンによって大部分が形成されている事を観測している。それは「アイドル」グループさくら学院の分家であるという起源の残存だが、この素晴らしいサウンドトラックに合わせて熱を帯びた合唱が起こり、空へと手が挙げられている事が、この東京を基盤としたバンドがオールドスクールなメタルヘッズを更に取り込んでいるか、もしくは彼女達の観客が — トリオ 自身と同様に — 我々の世界へと急速に同化してきている事を示している。

Su-Metal、Yuimetal、Moametalが、閃光する爆破の弾幕、炎、一斉掃射されるレーザーの最中、「狐の神」のサインを掲げ登場すると、かん高い音による地獄のような騒音が噴出する。

純粋なエンターテイメントに捧げられたその95分間の時間は、どこか他所で見られるものとは全く異なるものだ。まばゆいステージは歴史の反映を含み — ある一定の年代のメタルヘッズならIron MaidenのWorld Slaveryツアー*2の設営の面影をスロープとランウェイ上にそびえるスフィンクススタイルの狐の神から見抜くだろうし、そこではRammstein*3と肩を並べる 激しさと火薬量のパイロテクニックも使われている — 並列に並んだトリオの大いに快活な振り付けと、Kami Bandによる口をあんぐりとさせる技巧は、愉快で独創的な催眠術である。その二夜のセットリストには変更が施されていた。 — 土曜日の観客は紅月とYuimetalとMoametalの曲、4の歌をセット中盤に聴き、日曜日には悪夢の輪舞曲と、馬鹿げた程に伝染性の高いおねだり大作戦が代わりに演奏された — だがエネルギーのレベルはレッドゾーンから落ちる事は決してなく、観客はライブを通して彼女達のダンスをコピーし、観客自身がライブにとって不可欠な要素へとなる。ギミチョコとヘドバンギャーではアリーナフロア上でサークルピットが渦を巻く様を眺める事でも喜ばせてくれ、Ozzy Osbourne、James Hetfield*4、Corey Taylor*5やその他多くを侍として描写したアニメーションフィルムがDragonforceの手によるRoad of Resistanceの前に流れる事も悪趣味な笑いを提供してくれる。

来たるアルバム「メアルレジスタンス」収録に選ばれたBABYMETALの真新しい産物の初公開がその夜に最も興味をそそる瞬間となった。合わせて三曲の新曲が演奏される。疾走感があり、未来における観客のお気に入りとなる事が必然のKARATEは概してアップビートなジャンルをマッシュアップする曲で、感情に満ちたパワーバラード*6的な曲は仮にThe Oneと名付けられ (だがプロダクションノート上では La La Laと記されていた) — Su-metalの素晴らしく美しいボーカルを披露するもので、疑う余地もなく必ずやこの先幾年もの間BABYMETALのライブにおけるドラマティックな中心点となる楽曲だ。土曜の夜のライブのオープニングとなり、日曜日にはセットの最後へと移され、3名の女の子達がそのアンセミックなサビ — 「We are The One.  Together we’re the only one…」をスポットライトで照らされる赤熱したピラミッド型の「ゴンドラ」の上から届け、そのピラミッドはステージからアリーナへ向かい、今や狂乱状態の観客の頭上20フィートをゆっくりと滑空する。それは魅惑的なショーを締めくくる息を飲む劇的なクライマックスであり、そこにいた全ての人々の記憶の中、長く生き続けるスペクタクルであった。

けれども、その夜はそれでまだ終わりではない。Kobametalはさらに二つの初公開となるサプライズを用意していた。ステージ側面にあるビデオスクリーンが、今や公式に「FOX DAY」と銘打たれる4月1日 — ウェンブリーでのライブ前夜 — にメタルレジスタンスが発売されるというニュースを届ける為に今一度明滅する。二つ目の啓示は明らかに彼女達をも驚かせるものであり、観客が息を飲む音が聴こえ、BABYMETALの2016年ワールドツアーが55,000人のキャパシティを誇る東京ドームでの単独ライブにて締めくくられる事が発表されたのだ。BABYMETALはただの一時の流行で、既にメタルの残忍かつ荒唐無稽な歴史上の愉快な小事件の一つだったなんて考えているのか?その偏見は見直すべきだな…

(続く)


訳者注釈

*1 ライクラ
ポリウレタン製のストレッチ素材の登録商標

*2 Iron MaidenのWorld Slaveryツアー

Iron Maidenのキャラクター「エディ」がスフィンクスに扮したステージセットが組み上げられたツアー。

*3 Rammstein

ドイツのインダストリアルメタルバンド。
過剰なまでにパイロを多用したステージ演出で名を馳せる。

*4 James Hetfield
Metallicaのボーカリスト兼ギタリスト

*5 Corey Taylor
Slipknotのボーカリスト

*6 パワーバラード
80〜90年代に流行したHR/HMバンドによる壮大なバラード。
Metal Hammer全曲ミニレビューでNo Rain No Rainbowの欄であげられていたGuns N' RosesのNovember Rain等が含まれる。失恋について歌った曲が多い。

2016年3月1日火曜日

【Kerrang】「ロックの未来を形成する22のアーティスト」に選出 & Kerrang RadioにてKARATE放送

ロックの未来を形成する22のアーティスト


EMILY著
おそらくは、そのジャパニーズメタルセンセーションについての君の意見はもう固まっているだろう。だがしかし彼女達の修羅場と化すライブを君は見たことがあるのか?「狐の神様」(これについては何も言うでない)の庇護の下、BABYMETALはメタルのライブを巨大なピットとシンクロしたダンスルーティンの世界へと導いた。もしこれが君には合わないというのなら、君は楽しむ事をあまり好きではないのかもしれない。
他に選出されているアーティストは:
NINE INCH NAILS / HELLIONS / PPL MVR / MYRKUR / FOO FIGHTERS / ACHERONTAS / NOTHING MORE / FEARLESS VAMPIRE KILLERS / IN THIS MOMENT / GERARD WAY / RAKETKANON / DEAFHEAVEN / THE PRODIGY / THE ONE HUNDRED / BRING ME THE HORIZON / EMMA BLACKERY / FALL OUT BOY / ISSUES / TWENTY ONE PILOTS / MARMOZETS / ENTER SHIKARI


KERRANG RADIO放送時のDJによるコメンタリー

本日Kerrang RadioでもKARATEが放送されました。DJのJohnny Doomによる曲紹介コメントがこちらです。
BABYMETALが帰ってきた。「メタルレジスタンス」というニューアルバムを携えてな。(訳注: 少し不思議そうなニュアンスで)俺もこの新しいシングルを気に入ってきてるんだよ。それは腹立たしかったり、イラつかせたり、おかしかったりするもんじゃないんだ。この新曲を聴いてみてくれ。BABYMETALでKARATEだ!アイヤーッ!
ソース: Kerrang 

【METAL HAMMER】メタルレジスタンス全曲ミニレビュー

Redditに投稿されていた雑誌スキャンの翻訳です。今のところ全ページスキャンはアップされていませんが、仮にアップされても電子書籍版リリースまでは翻訳しない意向ですのでご了承下さい。

Road of Resistance

BABYMETAL進化の舞台として一年前にリリースされたこの曲は、ポップとメタルの合成をこのバンドによる最良の形で示したものだ。キツネアップ!

KARATE

たくましいモダンメタルのリフとマイナー調のボーカルで始まり、アイドル的なサビへと入っていくまでにKARATEは強烈なパンチをお見舞いする。ヘッドバンギングするために首の準備をしろ。

あわだまフィーバー

チョコレートの事は忘れよう — やっぱ今は「チューチューチューインガム」が全てさ。昨年11月に発表されたこの曲では、裏に流れる凶暴なドラムンベースが、Kobametalのジャンル融合狂と足並みを揃える。

ヤバッ!

トチ狂ったビデオゲームのようにして始まり、Eurovision*1の分野へと変化していくその前に、強烈なニューメタル*2のリフが神秘的に響くブリッジへと連れていく。

Amore - 蒼星 -

バラードのように始まるAmoreは、友人であり共作者でもあるDragonforceから手がかりを得て、迅速にリフ中心の領域へと傾斜する。Su-metalの歌は大したものだ。

META!メタ太郎

BABYMETALというより、Battlemetalと言える。賛美歌のようにはじまり、バイキング戦士のような男性の声がこの曲名を叫ぶと、隠喩的な大型ボートに乗せられている。

FROM DUSK TILL DAWN

Bring Me The Horizonからの大きな影響が見える。電子音が重ねられ、Can You Feel My Heart*3のような雰囲気があり、それがSkrillexへと突如変わるのだ。

GJ!

このタイトルの意味は不明瞭だが、「モンスター モンスターホラー!」という歌詞がある。このヘヴィネスとメロディーの融合はBABYMETAL によるフランケンシュタイン*4曲の究極形だ。

Sis. Anger

これはデスメタル曲!ヨハネの黙示録からの恐ろしいサンプル、ノイズの猛烈な突風と幾らかのシンコペーションするボーカル。

No Rain No Rainbow

ヒントはタイトルにある — X JapanのEndless RainとGuns N' RosesのNovember Rain*5に異様に似ている。甘いストリングスと鈴の音のような鍵盤から、大いなるバラードが注がれる。

Tales of Destinies

今までで最もブッとんだ曲。多量のマスコア*6が雪崩れ込み、急速なパワーメタル*7へと変容していくその最中、Su-MetalはLady Gagaのように甘くささやくように歌いあげる。

THE ONE

ライブにて演奏された別の曲。これはディズニーの「アナと雪の女王」とヘビーメタルを掛け合わせたものだ — アリーナを照らすために作り上げられた厳粛な楽曲である。幾人かには不快となり、その以外の人々は熱狂させる*8Fox Godからの別れの一言である。


Redditにてアルバム全曲を事前に聴いたと思われる投稿者が、「モンスター モンスターホラー」なんて全然言ってないという事と、メタ太郎がちょっとSabaton*9ぽいという事を伝えています。

訳者注釈:

*1 Eurovision

ヨーロビジョンソングコンテストという欧州各国代表が勝負する歌唱コンテストの事。ポップな歌の比喩表現として用いられているものと思われます。

*2 ニューメタル


KornやLimp bizkitに代表されるグルーヴ重視で、明瞭な旋律をもったリフを特徴としたメタルのサブジャンル。ヒップホップの影響を受けたものをニューメタルとする傾向もあるが、実際にはその限りではない。

*3 Can You Feel My Heart

BABYMETALをサポートしてくれている事で、ファンにも馴染み深いBring Me The Horizonによるシングル。楽曲構成、ビートアレンジにSkrillexがパイオニアとなったジャンルBrostepからの影響が見受けらる。
また本楽曲は多くのEDMが採用しているテンポであるBPM128を採用している。

*4 フランケンシュタイン

英語での表現においては、継ぎ接ぎに作られたものや、人工的に(いびつに)生成されたものの比喩表現としてフランケンシュタインという言葉が用いられます。


*5 Guns N' RosesのNovember Rain


同バンド代表曲の一つでもある壮大なバラード曲。

*6 マスコア

 
こちらの記事で引用されていたDillinger Escape Planなどがパイオニアとなったメタルのサブジャンル。
変拍子を多用しジャンルを飛び越える展開の多いマスロックというロックのサブジャンルと、メタルコアを掛け合わせたようなジャンル。
悪夢の輪舞曲やKARATEに影響を与えているジェントというジャンルにおいては、変拍子ながらも4分の4としても採る事ができるリズム構成が中心である事に対し、マスコアは変拍子やポリリズムを多用しつつ、4分の4で採れる事に拘りがない事も特徴。

*7 パワーメタル


Dragon Forceに代表されるメロディアスで疾走感のある楽曲を特徴としたメタルのサブジャンル。

*8 幾人かには不快となり、その以外の人々は熱狂させる。

こちらの原文は"Anathema to some, rapturous to others,"であり、ANATHEMAというプログレッシブメタルバンドがいる事から、「ANATHEMAのようにも聴こえ、そう聴こえない人は熱狂させる」と訳す事もできますが、バンド のANATHEMAをここで引用するならば大文字を使うだろうと思われる事から、このように訳しています。
※本箇所の訳はネイティブにも確認してみました。

*9 SABATON


戦を鼓舞するような男らしい曲調に特徴があるスウェーデンのパワーメタルバンド。ベーシストのパル・サンドストロームがBABYMETALを絶賛していた事も。