2019年12月5日木曜日

【NEW NOISE】インタビュー:Babymetalのスペクタクルには抗えない


Babymetalのスペクタクルには抗えない

Su-Metal、Moametal、鞘師里保のインタビュー

Brian O'Neill著

フィラデルフィア、フィルモアでBabymetalが舞台上に見せたスペクタクルは、抗えないものだった。3人の小柄な日本人の女の子達 — オリジナル・メンバーのSuzuka "Su-Metal" Nakamoto、Moa "Moametal" Kikcuhiに、ツアーメンバーとして加わる鞘師里保 — が、フォーメーションでダンスしながら、ほぼ母国語で歌う。身に纏うキラキラと光る黒いドレスに、発作を引き起こしかねないストロボが反射。後方のスクリーンに映される「Future Metal」についてのストーリー展開を、彼女たちが実演する。背景を担うマスクを着けたミュージシャンたちが、壮大なパワー・メタルと、過剰なDragonforce作ビデオゲーム・メタルの境界線を跨いだような、アンセム的な曲を次から次へと繰り出す。

圧倒的な劇場の為に作られたようなものだ。劇場には役割を担う役者が関わる事になる。間違いなくBabymetalとは、そういった類なのだ。
「Babymetalには『メタルレジスタンス』というテーマがあります。メタルやポップスに対する固定概念へのレジスタンスです。Babymetalとは新たなるメタルの誕生という意味なのです。」

これはEメールインタビューからの引用だ。通訳の問題により、対面での会話は叶わなかった。

「対面していたとしても、答えは一緒だったはずです。」バンドの広報であるRyan Cunninghamが断言する。「彼女たちは、あまりうまく英語を話せないので、答えを考えて、書き起こして、それを覚えてから、対面のインタビューで答えるんです。」

Eメールでの返答には、どのメンバーによる答なのかは書かれていない。メタルバンドからの不可欠なメンバー脱退について、Blabbermouthには詳細がかかれたリンクが大量にある。J-Popの世界においては、メンバーとは置き換え可能なものだ。Yui "Yuimetal" Mizunoが脱退した時も同様。公にされていない健康上の理由による脱退のはずであり、2018年アメリカツアーに、彼女が登場しなかった時から、数ヶ月の後に明かされた。

「グループを離れても、彼女の事を私たちはサポートし続けていきます。」

この事はBabymetalヘイターを鎮める事はなく、ファンを制止する事にもつながらない。本プロジェクトのニューアルバムMetal Galaxyを抑える事にもならない。創立シンガーである2人が、作曲に関わっているのかという質問はカットされた為、彼女たちが関わっているのかどうか、もしくは関わりたいと思っているのかについても、おそらく知り得る事は決してない。

Metal Galaxyがコンセプト・アルバムである、という事はわかっている。

「はい。Metal Galaxyを旅する、というコンセプトを基にしています。アルバムには、様々なメタルの幅広いサブジャンルが含まれていて、メタル以外の音楽もミックスされています。このアルバムには、『ライトサイド』『ダークサイド』といったような、二重性のコンセプトも含まれています。」

このアルバムには、多くのコラボレーションによる成果も含まれている。ハイテクな異教徒版オクトーバーフェスト「Oh! Majinai」では、SabatonのJoakim Brodenをフィーチャリングしている。

「2018年に、日本でのBabymetalのフェスティバルにSabatonが参加しました。全ては、その夜にはじまったのです。Joakimのおかげで、曲はさらにパワフルで楽しめるものになりました。」

それに加え、プログレッシブ・メタラーPolyphiaのTim HensonとScott LePageは、デジタル化されたギターヒーローっぷりを「Brand New Days」で見せ、狂乱のディスコ「Da Da Dance」で、日本人のギターレジェンドTak Matsumotoが痙攣のようなリックを弾く。タイ人ラッパーF. Heroは「Pa Pa Ya!!」を未来的ラップメタルにし、Arch EnemyのAlissa White-Gluzが、スラッシーな「Distortion」にボーカルを加える。

「『Distortion』は人の中にある2つの人格、二面性についての曲です。Su-Metalとは異なるキャラクターの象徴としてAlissaが必要でした。グロウルできる女性シンガーを探していたので、彼女は完璧で、この曲にふさわしい人は他にいませんし、曲に素晴らしいサウンドを加えてくれました。」

バンドのライブパフォーマンス同様、「Metal Galaxy」には、多くの楽しさが詰まっている。多くの人にとってバンドを知る機会となった、2014年のバイラル爆発「Gimme Chocolate」のビデオに劣らずギミック的で、キャッチーだ。一部の極端に繊細な人々の意見とは異なり、ギミックとはメタルにおいて問題であった事などない(KissからVenomからGhostに至るまで)。そこに問題などなにもない。

それは多少フラストレーションを引き起こすものにも成り得るかもしれない。望むらくは、Babymetalのメンバーがフラストレーションを感じてなければいいのだが。仮に感じていたとしても、その事について彼女たちが語るのを、許される事はない。

ソース:https://newnoisemagazine.com/interview-the-spectacle-of-babymetal-is-undeniable/

ふけいたんさん&Ma-Metalさん情報提供ありがとうございました

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