2019年10月27日日曜日

【OUTRIGHT GEEKERY】METAL GALAXYアルバム・レビュー



BABYMETAL - METAL GALAXYアルバムレビュー

TOM GUILFOYLE著

3年が経ち、ラインナップに変更もあったが、Babymetalが最も多様なアルバムであるサードと共に戻ってきた。METAL GALAXYだ。この14曲のアルバムには、サプライズ、オマージュ、フィーチャリングアーティストが詰まっている。METAL GALAXYには使命宣誓もついてくるのだ。「METAL RESISTANCEリリース以来、ツアーでまわってきた様々な国の音を含有する。」

その宣誓はアルバムに一貫しており、やすやすとJ-popからメタルからElectroまで幅広いジャンルをカヴァーしている。



METAL GALAXYは、FUTURE METALで幕をあける。2分間のエレクトロニックなテクノロジーが注入されたパワーメタルだ。ビートが直撃し、ハーモニクスが雄大なステージへと持ち上げる。Da Da DANCEは伝統的J-rockに、耳から離れないアップビートなギターとキーボードのコンビネーションが加わり、タイトル通りの効果をもたらす。踊りたい気持ちにさせるのだ。ボーカルは反復的だが、そのキャッチーさ故に、その事すらも気にならなくなる。

Elevator Girlが続く。この曲は、初期作、とりわけGimme Chocolateを内包したものだ。演奏はタイトかつヘヴィーで、インドに影響を受けたShanti Shanti Shantiとコントラストを成す。この曲はライブショー向けに作られたものであり、聴いている最中に、曲につけられるエキセントリックなダンスを想像する事ができる。

Oh! MAJINAIも世界旅行へと飛び立たせる曲で、今回の行き先はスウェーデン。SabatonのJoakim Brodenをゲストボーカルとしてフィーチャリングするパイレーツメタルだ。Su Metalは、このジャンルに完璧に溶け込んでいて、Joakimのいかついボーカルと対比を成している。アイリッシュ風バイオリンが曲を一体とし、完璧な酒盛り曲に仕上げている。

Brand New Day featuring Tim Henson and Scott LePageは、バンドにとって最も落ち着いた曲であり、最もアメリカの影響を受けた楽曲だ。ポップスの影響がみられるが、ギターが完全なポップスになるのを食い止めている。そして、雷鳴のようなギターと猛烈なドラムによるパワーメタル、Night Night Burn!で、また完全に反対の方向へと進む。時を経て強度の増したSu MetalのボーカルにMoa Metalが素晴らしいハーモニーを加える。

IN THE NAME OFは、空気感を伝えるような恐ろしいトラックに、ゴスペルの詠唱が加わっている。ドラムの音が大きくなると共に、緊張感の高まりを感じる。これはBabymetalのデスメタルへの進行であり、Babymetalの明るい面が好きなファンであっても楽しめる程度には明るくもあり、完璧に機能している。それであっても、デスメタルと呼べる程にデスメタルのDNAは充分にあるのだ。

METAL GALAXYからの初シングルであったDistortionではAlissa White-gluzの咆哮をフィーチャリング。Alissaのスクリーモが加わった事で、以前の自家製スクリーモと比較して刺激が増している。これに続くのもシングルPA PA YA!。アルバム開始にもあったダンスパーティーの空気が再注入され、フィーチャリングされているF.Heroのボーカル、中でも特にラップが、曲の興奮度を高める。

Kagerouはアティテュードのある曲で、特にサビのボーカルに反抗性が表れている。トラックには、ポップパンクの影響もある。

フィナーレ


METAL GALAXYはバンドが「光の三部作」と呼ぶもので締めくくられる。三部作の1部目が、リリース済の壮大なジェント風曲Starlight。強力なサビが、この曲がMikioへの追悼であるという、感情面での重要性を訴えてくる。ShineはMETAL GALAXYのThe Oneだ。これはモノリス級の壮大さのバラードであり、Suのボーカルの力を見せつけるものだ。Arkadiaが、爆発でアルバムを締めくくる。一面のリフから成る曲で、SuとMoaが力強いボーカルを、とんでもない速弾きの上で聴かせる。ArkadiaはDragonforceからインスピレーションを得たもので、アルバムを深い満足感で終えさせるのだ。

総評


METAL GALAXYは、リスクをとり、幅広い多様性を持ちながらも称賛を得るものとなっている。2014年に一発屋として登場してから、メタル界の女王へと変化したSuとMoaの成長を感じられるアルバムだ。完璧なアルバムではないが、完璧に極めて近いアルバムだ。

作詞作曲 4.5 / 5
サウンド 5 / 5
総合       4.8 / 5

ソース:https://www.outrightgeekery.com/2019/10/11/babymetal-metal-galaxy-album-review/


Ma-Metalさん情報提供ありがとうございました

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