BABYMETAL - メタルレジスタンス (9/10)
Siavash Nezhad著2014年に発売されたセルフタイトルアルバム以降、BABYMETALはメタルコミュニティに浸透したと言って差し支えない。
熱を帯びていた日本の音楽シーンとは異なり、無名であった存在から短いたった数ヶ月の間でSonisphereでライブを行い、Loudwire、Metal Hammer、Kerrang!からの賞を得るまでに至った。その女の子達のトリオにとって並外れた昇進だったが、そのバンドのJ-POPからの影響の強さを批判したり、ギミッキーだと主張する反対論者の存在は否定できない。そして今、大いなる興奮と期待へ向け2枚目のアルバム「メタルレジスタンス」がリリースされる。全ての目がBABYMETALに向けられている。
デビューアルバムはBABYMETALがワールドワイドな流行を獲得する以前に作曲されレコーディングされていた一方、メタルレジスタンスは、ほぼメタルヘッズで形成された新しい客層の初めての真のテストとなる。
前アルバムとの大きな違いとは、メタルレジスタンスがメタルサウンド化へと集中している事だ。純粋にポップスだと形容できる曲は一曲もない。「YAVA!」と「KARATE」を例にとれば、全体の中ではポップ寄りの側の曲だが、そのどちらもポップスと呼ぶ事は困難だ。アルバムのリードシングルでもある後者は今や評論家による称賛を多分に浴びているが、正直に言って私はここにおける最も弱い曲だと見ている。その一方、もう一つのシングルであるHerman LiとSam Totmanの演奏をフィーチャーした「Road of Resistance」がとてつもない量のスピードとリフでアルバムをスタートさせ、私の中にあるパワーメタルオタクを本当にエキサイトさせる。
年長であるSU-METALとより若い女の子達のデュオBLACK BABYMETALのどちらにも2つのソロ曲が用意されている。SU-METALには「AMORE」とX Japanのクラシックを傾聴した「No Rain, No Rainbow」のペア。「Amore」はデビューアルバムに収録された相似物「Akatsuki」にわずかに勝る。想像できる通り「No Rain, No Rainbow」は憂鬱なバラードだが、正直に言って(訳注: X Japanの曲にあった)良さが失われているが、当たり障りのないパワーバラードである事が、アルバムを締めくくる素晴らしい二対の曲への導入の役割を果たしている。
「Tales of The Destinies」は初めて聴いた全員を間違いなく驚かせる。プログレッシブパワーメタルとマスコアの実に猛烈な融合が見事に成功している。少なくともBABYMETALが過去リリースした中で最もクレイジーな曲であり、疑いなくこのアルバムのハイライトだ。ライブでその変拍子を演奏し踊るガッツがあるのかは不明である。最後に「THE ONE」は全て英語で歌われており、ここしばらくで聴いたアルバム中でも最も強力なフィナーレの一つだ。その歓喜と祝勝にあふれるメロディーによって、観客のお気に入りとなりアンコールの常連となる事は疑う余地もない。
ファーストアルバムのJ-POP&ボーカロイド風の歌は明らかに抑えられているが、BLACK BABYMETALの曲は例外となるものの、同時にそれらは音楽的に最もヘヴィーでもある。ミュージシャンシップと楽器法について言えば、メタルレジスタンスはデビューアルバムとは完全に異なるレベルにある。否定論者でさえ、この音楽は称賛するだろうと思うほどだ。「YAVA!」や「Sis. Anger」といった曲は、ジャンルの様式という意味では非常に異なっているものだが、素晴らしい楽器法によりどちらも更に限りなく楽しめ、キャッチーなものになっている。
まだ述べていない1曲は「From Dusk Till Dawn」。アルバム収録の中もう一つの英語の曲であり、日本国外のみで手に入る。今年を代表する曲として早くもノミネートされる曲になると私は見ている。これを正確に描写する事は極めて難しいが、Insomnium*1がDubstepのフィルを投げかけてくるようなものだと友人には伝えた。そのビルドアップとこの曲のムードはグループがリリースしてきたどれとも異なるものであり、我々用にこの曲がアルバムに収録されている事を幸運に感じるべきだ。
デビューアルバムからの進歩と述べるのは控え目な表現だ。メタルコミュニティからの高い注目を集めたBABYMETALが2枚目のアルバムにどのようなアプローチをとるかは誰にとっても明らかではなかったが、衝撃を与えたのだ。つまらない瞬間もわずかにあるが、それらも悪いわけではない。このアルバムとは間違いなくファンを喜ばせ、一等級の賞を受賞し、今まで以上にBABYMETALがメタルコミュニティに浸透するものとなる。
メタルレジスタンスは困難に打ち勝ち、ファーストアルバムを大きく上回るリスニング体験を提供した。BABYMETALの世界征服は今まさにはじまったと断言できる。
訳者注釈:
*1 Insomnium
フィンランドのメロディックデスメタルバンド。
メロデスながらも重いグルーヴと、良い意味でエッジのとれた音像に特徴がある。
ソース: THE METAL OBSERVER
ヤバい 鳥肌が…
返信削除翻訳乙です。
YAVA!涙出てきた
返信削除こんな素晴らしいアルバムを作ってくれてありがとう!俺は大満足だよ。まだ聴いてないんだけど。
返信削除KARATEが弱いというけど、
返信削除>メタルレジスタンスは困難に打ち勝ち、ファーストアルバムを大きく上回るリスニング体験を提供した。BABYMETALの世界征服は今まさにはじまったと断言できる。
ライバルはファースト、自分であり、それに恐れず新たなスタイルで打ち勝つ
という決意表明の歌がKARATEなんですよと言ってあげたい
しかしファーストと比べて苦言を呈しながらも最後は絶賛と、打ち勝ったってことですね
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削除ここって以前ずっとベビメタ叩いてた所じゃなかったっけ
返信削除それだけ新譜がいいのか単にバンドワゴナーなのかは不明だが
少なくともこのレビューは公正に感じた
流行りに乗っただけでしょうね
削除この人はファーストを3/10とか評価してた人
今作の評価が高いにこしたことはないが、書いてることはあまり当てにならないね
違法アップロードとかもしてたしモラル的にもどうかと思う
めまいがして来ました。
返信削除リーク音源の1,2両方聞いてしまった意志の弱いファンだけど2ndは間違いなく1stを超えてるよ。贔屓目じゃないよ。
返信削除"評論家による称賛を多分に浴びているKARATE"ですらこのアルバムの中では弱い曲。
返信削除これは最大限の褒め言葉だと思う。
あわだまとメタ太郎も言及されていない様な・・・。
返信削除英語だけの曲はこれっきりにして欲しい!
返信削除国内外のファンが冷めていきそうな予感がする!
FDTDは、やっぱりスクリレックス作っぽいね。
返信削除"ライブでその変拍子を演奏し踊るガッツがあるのかは不明である。"を読んだ瞬間に小神が狂喜乱舞しながら演奏している映像が頭を過った。wwww
返信削除英語詞のザワンもFDTDも評価されていますね。海外向けボーナスとして成功ですね。海外向けのボーナス曲に日本人が↑文句言ってるコメントには失笑です。
返信削除別に英語詞をメインにするわけじゃなく海外ボーナスで歌ってるだけなのに何をそんなに恐れているんでしょうね。海外ボーナス曲を英語詞で歌われて困ることでもあるのでしょうか。
そもそも海外盤は日本人向けの物では無いのだからそんなに聞きたくなければ買わなければ良いだけでしょ。
今のところ英語詞の訛りが酷くて聞くに耐えないなどと最悪な批難レビューは無いのだから十分成功でしょう。
海外の人に応援してくれてありがとうというわかりやすい感謝の表現ですよ、外国語詞の曲は。
同感です。
削除「The One」を英語詞にしたのは、この歌詞の意味を海外の人たちにも理解してほしいBABYMETAL側の気持ちではないでしょうか。(公式の翻訳として)
もう気が狂いそうだw
返信削除早く聴きたい!
聞きましたよ。ファーストのほうが完成度新鮮さキャッチーさを
返信削除考えると79点。
セカンドは68点ぐらいかな。音楽分かる人には丁寧な作り込みが
理解できて面白いはず。まずは合格、ギミックではない事を知らしめる
ことができた意義は大きい。生でどう面白く演出できるか楽しみです
本当に凄まじく膨大な量の翻訳に改めて感謝致します。
返信削除音源お預けの今、先のコメントの方も「気が狂いそう笑」とおっしゃっていますが
私もこのBlogのお陰でなんとか正気を保っています。
しかし賛同のレビューにはいよいよ神経が麻痺してきているので、もはや正気とは言えないのかもしれません。
Hey, this is Siavash. I wrote the article. I'm glad you enjoyed it and translated my review!
返信削除Thanks Siavash for your comment and yes, I enjoyed it a lot and we are all hyped for the FOX DAY!!!!
削除すごい!原文作成者の降臨だ。このブログがそれだけメジャーだってこと。
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